- 作品名
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立ち上がろう!
現場の輝く教師たち!熊谷雅之:著
- あらすじ
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著者、熊谷氏は公立中学校で働く先生である。現場で働くなかで学校や教師が子供にとって敵になっていると疑問が生まれる。どのように子供と触れ合うべきか、日々葛藤するなか、一人一人の教師が教育哲学を持つことが重要だと気づく。従来、国や会社のために子供を育てるという考えがあった。それでは子供の得意分野は伸びない。子供がより幸せな人生を送るためにはどのような教育をしていくべきか熊谷氏は常に考えていた。 いじめ問題、部活での指導等、教師として場数を踏んだ熊谷氏の葛藤から生まれた渾身の一作。
編集者講評
子供を教育し、一緒に未来を描ける学校の先生は、昔から人気の高い仕事である。しかし、最近では、残業時間が多い、土日も部活で休めない、といったマイナスなニュースが増えている。本作品は実際に教師として働く著者の視点から教育論をまとめた実用書であり、社会的に見ても関心の高い一冊だ。
著者が尊敬する後藤先生が述べていた「教師にいい人なんていらない、いい人なんて誰でもできるのだから。子供を育てなきゃ。」との会話は、深く納得する一文だ。子供にとって、一般的にいい人が、子供を育てられるとは限らない。リーダー育成論で、著者が「北風と太陽」で太陽を愛情に例えていたが、先生ならではの分かりやすい話で深く納得してしまった。面倒な問題に関わりたくない為に、子供の虐めを見過ごし、距離を置く先生も増えている。本作品を多くの読者に届けて今一度、教育の大切さを改めてほしいものだ。
日本では、教育の仕方について度々議論されている。著者が述べていたように、日本は国や会社の役に立つ子供を育てている。しかし、それでは子供の得意な部分を最大限に引き出せない。多くの疑問を投げかけた本作品は社会的にも価値ある作品と言える。