去る2019年11月23日(土)幻冬舎ルネッサンスの東京本社(渋谷区千駄ヶ谷)にて、当社主催「第1回子育て絵本大賞」の授賞式が行われました。
当日はあいにくの天候でしたが、選考委員長である絵本作家の「のぶみ」氏と受賞者の3名とそのご家族に会場へお越しいただき、のぶみ氏から受賞者の皆様へ熱いエールをお贈りいただきました。その様子をお伝えします。
大反響を得た第一回コンテスト
応募総数は2,500通を超え、大盛況に終わりました。
独特な描写、おもしろい物語が数多く集まり、将来性を感じる作品に恵まれたコンテストとなりました。優秀賞は母娘のハートフルなストーリーを描く『おかあさんは しっぱいめいじん』(著:もり みどり)と、ワガママな女の子のドタバタ劇『いやいやひめと わるーいくに』(著:miki)。のぶみ賞は、孤独なオオカミと少年の出会いを描く『ふたりぼっち』(著:Saki Murakami)。どれもテーマがしっかりとストーリーに落とし込まれており、レベルが高く個性的な作品でした。
授賞式のあとには、のぶみ氏による作画指導が行われました。会場は和気あいあいとした雰囲気ながらも、のぶみ氏の指導は熱血そのもの。単なる作画指導の域を超えた非常に本格的なお話の内容に、受賞者の皆様の表情は真剣でした。
「子どもが楽しめる絵本には何が必要なのか」
「絵を描くときには何に注意をすればいいのか」
「どんな作品を描くべきなのか」etc.
そんな具体的な指摘を受けて手ごたえをつかんだ受賞者たちの、今後の活躍に期待が持てます。
そして指導の終わりには、のぶみ氏の未発表作品が、のぶみ氏本人による生読み聞かせとともに初公開されるという、うれしいサプライズもありました!
貴重な絵本が持つ楽しみや魅力を存分に感じた授賞式となりました。
業界の厳しさにあらがって
作家デビューするために必要なのは、とにかく描き続けることです。また、自分の描きたいものをとことん追求することも大切です。自分なりのこだわりを持って制作することで、オリジナリティのある作品となります。
絵本業界は、往年のベストセラー作品が未だに書店の面だし陳列を独占している群雄割拠の世界。印刷費が高い一方で書籍の定価は安く設定されるため利益率が低く、新作絵本の出版が難しくなってきているのが現状です。
それでも子どもたちにおもしろい物語を届けたいと思っている表現者たちが減っていないことは、今回の応募作品の数と質から窺えました。受賞まで至らなかった作品にも、大きな可能性を感じることは少なくありませんでした。幻冬舎ルネッサンスは、新たな才能との出会いを求めて、今後もコンテスト運営に力を注いでいきます。
受賞作品のあらすじ紹介
優秀賞 アイディア部門
『おかあさんは しっぱいめいじん』(著:もり みどり)
買い物メモを忘れたり、炊飯器のスイッチを入れ忘れたり。
そんな失敗ばかりのお母さんでも、あたしは大好き!
お母さんへの愛情をストレートに表現した心温まるストーリー。
優秀賞 絵本部門
『いやいやひめと わるーいくに』(著:miki)
「いやいや」が口ぐせのみぃちゃんのもとに、『わるーいくに』からおじさんがやってきた。
「ぜひ うちのくにの おひめさまに なってほしい」
そこはわがままを言い放題の国だと聞いたみぃちゃんは、
目を輝かせて『わるーいくに』へ行ってしまうが……。
のぶみ賞
『ふたりぼっち』(著:Saki Murakami)
森の動物たちに怖がられて、ひとりぼっちで過ごすオオカミ。
夜中に響くオオカミの遠吠えに、動物たちは身震いする。
でも、ある少年だけは、遠吠えに込められた感情が分かるのだった――。
少年とオオカミの種を超えた交友を描く、感動の物語。
受賞作品は結果発表ページで読むことができます。
選考委員長 絵本作家 のぶみ氏との特別動画はコチラ↓
https://www.youtube.com/watch?v=HjuX8ZSeJKw