20歳の奄美の夏物語 織田はじめ:著 編集者講評 昨今は、ソーシャルメディアの普及によって、気軽にコミュニケーションがとれる便利な世の中になりました。そのような時代だからこそ、特定の誰かに向けて改めて想いを綴る「手紙」という手段は、特別な意味を持つのではないか。そのような考えのもと開催したのが今回の「恋文コンテスト」でした。 大賞となった『20歳の奄美の夏物語』は、子どもが独立したことで再び戻ってきた夫婦二人の時間をより良いものにするために、書き手である旦那様が、奥様との出会いを物語形式でしたためた作品です。 奄美大島の豊かな自然の中で育まれる真と玲子の恋は、甘く、切なく、純真で、心の琴線に触れました。特に、終盤の空港でのシーンは、別れ行く二人の複雑な想いが見事に書き表されており、感情移入を禁じ得ません。 また、そういった心情描写もさることながら、本作は情景描写も秀逸で、土地に根付く文化や空気、音やにおいまでをも表現することで、読み手の心を奄美大島の地へと導くことに成功しています。 その他、文章力の高さや構成の良さ、メッセージ性の高さを踏まえても、今回のテーマに最もふさわしい作品でした。
編集者講評
昨今は、ソーシャルメディアの普及によって、気軽にコミュニケーションがとれる便利な世の中になりました。そのような時代だからこそ、特定の誰かに向けて改めて想いを綴る「手紙」という手段は、特別な意味を持つのではないか。そのような考えのもと開催したのが今回の「恋文コンテスト」でした。
大賞となった『20歳の奄美の夏物語』は、子どもが独立したことで再び戻ってきた夫婦二人の時間をより良いものにするために、書き手である旦那様が、奥様との出会いを物語形式でしたためた作品です。
奄美大島の豊かな自然の中で育まれる真と玲子の恋は、甘く、切なく、純真で、心の琴線に触れました。特に、終盤の空港でのシーンは、別れ行く二人の複雑な想いが見事に書き表されており、感情移入を禁じ得ません。
また、そういった心情描写もさることながら、本作は情景描写も秀逸で、土地に根付く文化や空気、音やにおいまでをも表現することで、読み手の心を奄美大島の地へと導くことに成功しています。
その他、文章力の高さや構成の良さ、メッセージ性の高さを踏まえても、今回のテーマに最もふさわしい作品でした。