著者プロフィール                

       
LGBT(性的少数者) 〜 『一隅を照らす』特別連載(その36)

市川 博昭

昭和7 年、静岡県生まれ。旧制静岡高等学校1 年修了後、新制東京大学文学部仏文科、法学部公法学科卒業。国家公務員六級職(法律)試験合格、農林省入省。退官後、協同組合飼料工業会常務理事、帝蚕倉庫取締役現業副本部長を経て、同代表取締役社長。(財)大日本蚕糸会監事を歴任、現在に至る。

LGBT(性的少数者) 〜 『一隅を照らす』特別連載(その36)

 若いころ、銀座のバーにゲイボーイという女装した若い男性が結構いた。このゲイボーイがLGBT(性的少数者)とは考えたこともなかった。Gayboyは和製英語で男性の同性愛者、女性の同性愛者はLesbian(レスビアン)で、ウーマンリブの象徴でもあった。Bisexual(両性愛者),Transgender(出生時に判断された性と自認する性と不一致)の頭文字をとった総称であり、広告会社「電通」が2015年に行った調査では、7,6%(13人に1人)が該当した。1970年に主としてゲイボーイが法的権利獲得や差別撤廃などを求めて『プライド』パレードをはじめ、次第に4者が合流して全世界に活動を広めた。世界最大規模のブラジル「サンパウロ・ゲイ・プライドパレード」では推計320万人が参加しており、13年現在、同性愛結婚を認める国は約20ヶ国に上り、14年4月15日、インドで「第三の性(トランスジェンダー)を法的に認める最高裁判決が出された。LGBT(性的少数者)であることを第三者が本人の同意なく明らかにする[Outing]を防ぐ動きが広がり、東京都国立市が4月アウティングを禁ずる全国初めての条例を施行した。故意や悪意に基づく公表をハラスメント(嫌がらせ)に当たるとみなす大学もある。筑波大学は今年3月、LGBTに関するガイドラインを改訂し、アウチングについて「自死」という最悪の結果を招きかねないと、故意や悪意に基づく公表は『ハラスメント』として対処する方針を示した。性的志向や性自認は国籍、宗教と同じく配慮すべきプライバシーと受け止めるべきである。

『一隅を照らす』特別連載 【全37回】 公開日
(その1)狸二度目の対面 2019年4月11日
(その2)初雪 2019年6月28日
(その3)ストレス 2019年7月5日
(その4)終戦の日 2019年8月26日
(その5)人生に寄り道なし 2019年9月6日
(その6)もやし 2019年10月4日
(その7)教養主義 2019年11月1日
(その8)黄色いマーク 2019年12月6日
(その9)冷蔵庫 2020年1月10日
(その10)根 気 2020年2月7日
(その11)小田急が学生寮開業 2020年3月6日
(その12)コンパクト・シティ 2020年4月3日
(その13)行政の電子化 2020年5月1日
(その14)地域密着型弁護士 2020年5月29日
(その15)座るとき、どうこいしょ 2020年6月30日
(その16)市民農園 2020年7月31日
(その17)ALS(筋萎縮側索硬化症) 2020年8月31日
(その18)卵 2020年9月30日
(その19)生きがい 2020年10月30日
(その20)からだ測定会 2020年11月30日
(その21)高齢者が高齢者を支える金融モデル 2020年12月28日
(その22)孤独 2021年1月29日
(その23)猫の日 2021年2月26日
(その24)首都圏の私大が都心へ回帰 2021年3月31日
(その25)さくら 2021年4月30日
(その26)箱根山 2021年5月28日
(その27)腎臓透析 2021年6月30日
(その28)おもてなし続編 2021年7月30日
(その29)筋肉 2021年8月31日
(その30)地域医療の行方 2021年9月30日
(その31)富士山 2021年10月29日
(その32)高齢の認知症老人は暴力的か 2021年11月30日
(その33)配膳のマナー 2021年12月28日
(その34)下垂体卒中 2022年1月28日
(その35)混合介護 2022年2月28日
(その36)LGBT(性的少数者) 2022年3月31日
(その37)梅雨明け 2022年4月28日