幸福と日本文化のミスマッチ

No,009

墨崎 正人

著者No,009 墨崎正人

作品紹介

著者No,009 墨崎正人

幸福と日本文化のミスマッチ

墨崎 正人

日本文化を紐解きながら「幸福」の謎に迫る

・日本で「幸福」という言葉が登場したのは明治以降だった?!
・「幸福」と「いま、ここに生きる精神
・「幸福」=「色と欲」なのか?
・「幸福」を考えるうえで欠かせない、「出口戦略思考」とは何を指すのか。

大脳や宗教、文化の違いなど、さまざまな角度から「幸福」とは何かについて真剣に向き合った一冊。

ISBN-10:4-344-91154-7
ISBN-13:978-4-344-91154-3
出版日:2017年4月4日
発 行:幻冬舎メディアコンサルティング
発 売:幻冬舎

プロフィール

著者No,009 墨崎正人

墨崎 正人

1941年山口県下関市生まれ。1963年法政大学卒業後、大手自動車部品メーカーに入社。以後二十余社の転職を経て1974年に不動産鑑定士試験に合格。1978年に不動産鑑定士業を開業。また、山口地方裁判所鑑定委員を32年間務め、同民事、家事調停委員を30年間歴任。その他に山口地方裁判所周南調停協会会長、山口県補償研究協会理事長に就任している。 「調停の成立と価格の均衡論」(調停時報2012年3月号)や「正常価格を論考する」(不動産鑑定2009年9月号)他論文多数。

座右の銘

自己の特性を活かし役に立つ

人は本来自分に備わっている特性を活かして生きれば人生を楽に、充実して歩むことが可能です。たとえば日本人はチームプレーに優れており、スポーツやものづくりに特性を発揮しています。
しかし、自己の特性は気づくことが難しく、多くは他人からの指摘で分かるもので、特性は分かり辛いのが難点です。
 不思議なことに、自己の特性に気づけば楽な人生だけでなく、更に世の中の役に立とうという前向きな気持ちになります。特性を掴み、豊かな人生を送って下さい。

インタビュー

『幸福と日本文化のミスマッチ』が刊行されました。
今のお気持ちはいかがでしょうか。

幸福は誰しもが願うものですが、いまの世に出回っている幸福論はハウツーものが多く、近道に入り込み過ぎ、逆に人が迷路の中で彷徨っている原因になっています。

諺にあるように人生は「急がば回れ」で、急いでは事を仕損じるものです。私は幸福への大道を多くの方々に歩んでもらいたく、拙い知見と経験で幸福論を書かせて頂きました。感謝しています。

今回出版しようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?

今から16年程前、大手の雑誌社が日本を代表する有名人、知識人の幸福論を纏めた雑誌が発行されていました。しかし、日本では幸福の定義が曖昧であることから、幸福論が百花繚乱となっていて取り留めのない内容になっているのに驚かされました。

多様な幸福論は日本人が幸福のナゾに陥っている反映だと見なし、多くの方に幸福な人生を歩むヒントにして頂きたく本書を書き上げてみました。

どんな方に読んでほしいですか?

いまの日本人は幸福のパラドックスに陥り、迷走しているかに見えます。その要因は幸福とは何かを理解せぬ儘忙しげに生きている私たちの生き方、文化にあると考え、タイトルを「幸福と日本文化のミスマッチ」として本書を書き上げてみました。

人生に幸福は欠かせません。幸福とは何かを模索しながらも忙しげに生きている人たちへのヒントになればと願っています。

座右の一冊

われ以外みなわが師

著:吉川英治

生きる勇気を与えてくれます。

ここが魅力

吉川英治は大衆文学で新しい分野を開拓した人とされていますが、著書の中で自身の考えを三つに分けて述べています。
一つは病気の父を支え、6人の子供を育てた母への愛。二つは彼自身の空想力を挙げ、三つ目に人々が持つ確たる生き方に注目し、大勢の人たちの大知識には敵わないと言っています。

彼の謙虚な姿勢は吉川文学のバックボーンになっていますが、読む者に生きる勇気を与えてくれます。

未来へのメッセージ

四季の変化に合わせ農業を生業とした日本社会では、人々は周囲に枠を設け「いま、ここの精神」で気忙しく生きる文化になっているといわれています。稲作で忙しげに生きる日本人の生き方は人々に絆意識を育み、日本人の幸福の源泉になっていましたが、一方で一時的な気紛れの生き方ともいえます。

いま、ここの精神で生きる生き方は人が何のために生きているのかという大きな問いの答えにはなり得ず、目的を欠いた手段に陥る生き方に繋がり、人を無意識ながら不安な気持ちにさせるものです。

幸福にはトータルで見る戦略思考が欠かせません。建物でも入口があれば出口があるように、いま、ここだけに生きる人生は片手落ちの人生観になるものです。出口を探り、いまの生き方を決め、豊かに安心して生きる生き方は幸福への必要条件となります。