著者プロフィール                

       
孤独 〜 『一隅を照らす』特別連載(その22)

市川 博昭

昭和7 年、静岡県生まれ。旧制静岡高等学校1 年修了後、新制東京大学文学部仏文科、法学部公法学科卒業。国家公務員六級職(法律)試験合格、農林省入省。退官後、協同組合飼料工業会常務理事、帝蚕倉庫取締役現業副本部長を経て、同代表取締役社長。(財)大日本蚕糸会監事を歴任、現在に至る。

孤独 〜 『一隅を照らす』特別連載(その22)

2018年2月19日付日経夕刊が英国で1月にメイ首相が孤独担当大臣を設けると報道されました。日本では第4次安部内閣の一億総活躍大臣に該当しますか。人口約6500万人の英国で900万人と14%の人口が孤独を感じ、孤独は1日にたばこ15本を吸うと同じくらい健康に悪いという研究があるそうです。孤独が増える理由の一つは高齢化による一人暮らしであり、もう一つはデジタル化が進み、人と人が直接触れ合う機会が減ってきたことです。アメリカの元高官も「孤独は伝染する病。テクノロジーで最も人と人とがつながっている時代なのに、孤独は1980年代の2倍となり、アメリカ人の大人4割以上が孤独を感じている」。経済協力開発機構(OECD)が21ヶ国を調べ「友達や同僚と過ごす時間があまりない」と答えた男性の割合は日本がトップ。女性もメキシコに次ぐ2位と世界で最も孤独な国の一つだそうである。しかも最近は結婚しない人々が増え、より深刻になりそうである。孤独は心の問題にとどまらず、認知症や要介護認定率を上げる要因となっています。健康寿命全国一の山梨県は「無尽」という独特なコミュニティーがあります。孤独な人を減らす工夫をしないと医療や介護費用が増えます。誰もが年取り、だれもが取り組まなければならない課題です。

『一隅を照らす』特別連載 【全37回】 公開日
(その1)狸二度目の対面 2019年4月11日
(その2)初雪 2019年6月28日
(その3)ストレス 2019年7月5日
(その4)終戦の日 2019年8月26日
(その5)人生に寄り道なし 2019年9月6日
(その6)もやし 2019年10月4日
(その7)教養主義 2019年11月1日
(その8)黄色いマーク 2019年12月6日
(その9)冷蔵庫 2020年1月10日
(その10)根 気 2020年2月7日
(その11)小田急が学生寮開業 2020年3月6日
(その12)コンパクト・シティ 2020年4月3日
(その13)行政の電子化 2020年5月1日
(その14)地域密着型弁護士 2020年5月29日
(その15)座るとき、どうこいしょ 2020年6月30日
(その16)市民農園 2020年7月31日
(その17)ALS(筋萎縮側索硬化症) 2020年8月31日
(その18)卵 2020年9月30日
(その19)生きがい 2020年10月30日
(その20)からだ測定会 2020年11月30日
(その21)高齢者が高齢者を支える金融モデル 2020年12月28日
(その22)孤独 2021年1月29日
(その23)猫の日 2021年2月26日
(その24)首都圏の私大が都心へ回帰 2021年3月31日
(その25)さくら 2021年4月30日
(その26)箱根山 2021年5月28日
(その27)腎臓透析 2021年6月30日
(その28)おもてなし続編 2021年7月30日
(その29)筋肉 2021年8月31日
(その30)地域医療の行方 2021年9月30日
(その31)富士山 2021年10月29日
(その32)高齢の認知症老人は暴力的か 2021年11月30日
(その33)配膳のマナー 2021年12月28日
(その34)下垂体卒中 2022年1月28日
(その35)混合介護 2022年2月28日
(その36)LGBT(性的少数者) 2022年3月31日
(その37)梅雨明け 2022年4月28日