作品紹介
社会を変える防犯カメラ
賀来 泉
日本の犯罪件数はこの15年で「戦後最多」から「戦後最少」へと急激に改善した(2002年⇒2016年)。その要因に挙げられるのが防犯カメラの急増だ。 「犯罪は人目の届かぬところで行われる、ならばテクノロジーで死角をなくし世の中の犯罪をゼロにし社会に貢献する! 」と心に誓った著者が、防犯カメラに対する人々の意識を「見張られている」から「見守られている」に変えた奮闘記。
プロフィール
賀来 泉
1963年生まれ。株式会社日本防犯システム代表取締役。2001年に防犯カメラ事業を創業。2004年8月にオンセールス有限会社を設立(翌年に株式会社に組織変更)。2009年、株式会社日本防犯システムへ社名変更。「世の中から街頭犯罪をなくしたい」という強い信念のもと、業界初の製品を次々に投入して世に広める一方、地域の防犯活動にも精力的に取り組んでいる。さらに、カメラ1台を販売するごとにご飯10杯分をカンボジアの恵まれない子供たちに寄与する「1カメラfor10ライスプロジェクト」にも取り組んでいる。
インタビュー
なぜ書籍を出版しようと思ったのか、そのきっかけをお聞かせください。
防犯カメラ・防犯システムの分野も、まだまだ前進していかなくてはならない。
究極の目標は犯罪そのものを根絶する「犯罪ゼロ社会の実現」だ。
そのために、我々にできること、やらなければいけないことは山のようにある。
さらに、安全・安心な社会を作る防犯システムを世界に広めていきたい。
「犯罪撲滅・犯罪ゼロ社会の実現」はまだ道半ばではあるが、決して夢ではない。
いつか必ず実現できる目標だと信じている。
座右の一冊
道をひらく
著:松下幸之助
在り方
著:大久保秀夫
人生を変えた出会い
創業当初に背負った一千万円という莫大な借金は2年あまりで完済することができた。だが心が休まることはなく、息つく暇さえない。日曜の昼下がりに妻と会社前の花壇を手入れするひと時だけが、唯一癒される時間だった。
防犯カメラは相変わらず、飛ぶように売れていた。業務拡大に合わせどんどん社員を採用したが、次から次へと辞めていく。売上至上主義のモーレツ会社は、どこも似たような状況であるに違いない。そうしてやってきた会社だが、同時に「こんな経営ではいずれ行き詰まる」という漠然とした不安が消えることはなかった。
そんな折、私はある経営セミナー(中小・中堅企業の社長が700人も参加する大規模なものだった)に参加して、運命的な出会いをする。それは分科会講師として列席していた株式会社フォーバル代表取締役の大久保秀夫氏で、偶然講演を聞けることになったのだった。そこで言われていたことは――
・経営の〝やり方〟よりも〝在り方〟が大切だ。
・会社の在り方とは何か、自身の在り方とは何かを考えなさい。
・経営者には社員やその家族を幸せにするという使命もある。
・まず会社の社会性を考え、次に独自性を考えなさい。経済性は最後。
・感謝される会社は成長するし、皆が納得する。
――こうした話のどれもが、その時の自分の心にストンと落ちて納得できた。私はセミナー参加者の同志と作る大久保塾に入り「自分の会社の在り方とは何か」をひたすらに考え、社員にもこんこんと説くようになった。
未来へのメッセージ
従来にはない機能を持った防犯カメラを開発し、
普及の見込める価格で製造し、広くあまねく販売すること。
日本はものづくりの国なので、理想の社会はものづくりの力で実現するのが
近道だ。
開発では決して妥協せず、とことん良いものを作る。
決して驕らず過信せず、日々改善を怠らない。
それを使う人のニーズに合った製品を、手の届く価格で実現する。