作品紹介
天に好かれる
西村 毅
学生、社会人、余生とそれぞれの時代でベストを尽くすために必要な勉強、努力、タイミング……。自分の「徳性」を知ることで、持って生まれたあなたの得意技を発揮できるようになる。
第一章 人生の目的
第二章 得意技の活用
第三章 宇宙エネルギーとの協働
第四章 天命について
第五章 実録・天命成就
第六章 天に好かれる条件
プロフィール
西村 毅
1943年生まれ。1967年京都大学法学部卒。同年、三和銀行入行。聖護院支店長、ニューヨーク副支店長等を経て、1992年三和総合研究所 総合企画部長兼人事部長、2000年京セラコミュニケーションシステムにて管理部門を担当、2005年常勤監査役。2009年立命館大学 社会学研究科 博士課程進学、2013年単位取得後、退学。 著書『監査役で会社は変わる』『フリーダム経営』(日経事業出版センター)等。
インタビュー
『天に好かれる』が刊行されました。今のお気持ちはいかがでしょうか。
自分にとっては3冊目の出版であり、ひとまず実現したことでホッとしています。それにしても、今回の出版では、多くのトラブルに見舞われました。原稿の提出日には路上で意識を失い、長期入院を余儀なくされるといったようなアクシデントもありました。制作途中においても、様々な出来事が起こり、何度かあきらめかけましたが、歯を食いしばって、出版にこぎついたのです。
今回出版しようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?
私なりに本書の出版についてこだわりとなったのは、そもそもは「中村天風さんの本を読みなさい」という天からのアドバイスでした。これまで、天からの示唆で間違ったことは一つもないという確信がありました。加えて、何人かの知人から出版を強く勧められたことも後押しとなりました。
どんな方に読んでほしいですか?
本書は生涯学習を対象としていますので、最も読んでいただきたい対象は40〜50代の方です。生活の糧を稼ぐ時期が過ぎても、その後の人生を有益に過ごすにはどうすればいいのか、貴重な示唆となりえるヒントが詰まっているのではないかと思います。
座右の一冊
修身教授録
著:森 信三
仕事や生き方に迷った時「人生の在り方」を学ぶ
ここが魅力
40代半ば、ニューヨーク在勤中にめぐりあった一冊です。仕事や人生に迷いが生じ、「生き方」を模索し始めた頃、本書と出会い、人生の在り方を根本から指導されました。もともと自分には、森先生が説かれていることと共通するものがあったのかもしれないですが、その後の私の人生にとって、「人生の原典」として聖書に近い位置づけとなっています。
人生を変えた出会い
20代のころ、銀行調査部で上司であった神田延祐さんとの出会いが印象的です。すでにエコノミストとして高名でありましたが、「頭はいくら使っても、よくなりこそすれ、悪くなることはあり得ない」と発破をかけられていました。神田さんには、若いころ、1か月ほど田舎に引きこもり名著を残されたというエピソードがあり、我々にも随分とご自分の経験(執筆活動)を勧められました。
神田さんは一線を退かれてから、大阪大学大学院に進まれ、貨幣論の研究に打ち込まれました。あくなき追及心に、私も無形の影響をうけ、私が大学院に進学するにいたった貴重な案内役でもあります。
プライベートでも、仲人をお願いしたり、三和総研勤務時代には、お嬢さんが研究員としておられたり、といろいろお世話になりました。
なお、私は、50歳ころから三和総研でお世話になりましたが、その時の社長であった松本和男さんにも貴重な出会いをいただきました。当時、挫折感にさいなまれていた私を温かく包容し、要職を任せていただき、今日の私に再生していただきました。ありがたく、なんとお礼を申し上げてよいのかわかりません。のちに、松本さんは、神田さんと親友であったとお聞きしました。この世における人間関係の機微を深く噛みしめています。
未来へのメッセージ
自分の人生の目的は何か。
その目的を達成するために何をすべきか。
これは一人ひとりが考えるべき宿題です。
この宿題の根幹に「天命」を置いて考えてきました。
これまでの私の経歴、経験を話すとき、きまって、「せっかくの役員を辞任したり、大学院にいったりして、奥様からの反対はありませんでしたか」という質問を受けます。これは家庭運営の機微に触れる質問です。私の場合、こうしたことを家内に相談したことは一切ありませんでした。仮に相談していても、反対はしなかったであろうことは想像がつきます。このように考えてくると、天命の道に進むには、夫婦の思想・信条が一致することが不可欠になります。
とすると、天命への道に夫婦が舵を切ることは決して容易な道ではないかもしれません。しかし、定年後、夫婦で、趣味などを共にする一つの選択肢として、「天命の成就」を織り込むことは、それなりに意義のあることではないでしょうか。みなさんにも、それぞれの貴重な人生を有意義に過ごしていただきたいと考えています。