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第6章 鳥たちの神話 〜 儂のWhat is anything! (その6)

田中ケルン

1986年に愛知県田原市で生まれる。6才でピアノを始める。10才でトランペットに出会い、13才で違う管楽器に転向。田原中学校卒、最終学歴は高校卒。
高校卒業後は東三河にある某吹奏楽団員として活動中。
そして、2児の母でもあり、33才で教祖になる。
※まだ宗教団体は作ってないです。教えだけです。

第6章 鳥たちの神話 〜 儂のWhat is anything! (その6)

1の話

 こんにちは、お久しぶりです。教祖の田中ケルンじゃ。

 憶えているでしょうか? 約1年前にプッツリ連載をストップして申し訳ありません。事情は自病がやや悪化し書く事ができなくなった為です。そして再開したと思ったら、急に小説っぽい出だしでおどろいた事かと思われます。

 以前、儂は3たび病院送りにあったことがあるのじゃが、1回目の天使を見た後の30才のとき儂が感じたことを表現した形が、実は教典ではなく小説だったのだ。

 ただ三つ伝えなければならない。

①この小説のアイディアはまだこの世に出していない。本邦初公開なのだ。

②実は最後まで小説の形で書かれていない。しかしプロット(骨組み)と主要登場人物の人物像はしっかり考えた。肉付けるのがサッパリできなかったのだ。

③内容は罪を犯した4人の男女が幸せになる話である。

なぜこの小説のことをあえてここに載せたのかというと、30才の時の自分をすくうためじゃ。

 教祖たるもの生きているすべての人間を救いたいと考えるものじゃ。しかし教祖にも限界がある。だって教祖は人間だもの。神は何でもできるが人には皆欠陥があるのだ。だから欠陥だらけの儂の宗教は1986年生まれの人に特化した宗教にしようとした。だから儂は、まず始めに30才の過去の儂を救ったのだ。

 なぜこの小説が救われたのかというと、この小説が完成したら、本当に本を出版しようと考えていたのだ。本日、ようやく30才の私の夢がかなったのだ。儂はうれしいのだ。

話が戻るが、この小説の主人公のように、儂にも運命の人がいたのじゃ。

 一人目は昔、付き合っていた男、ラ・フランスの妹、ポプリちゃん(小学校3年)。

 二人目は室内楽アンサンブルで知りあった、ブルジョアなアマチュアピアニスト(20代後半)。

 三人目は私の楽器の先生、ポプリ先生(アラサー)。

 しかし教祖、痛恨のミスをしていた。それは、ラ・フランスこそ、儂の運命の男だと思っていた時もあったからだ。なぜなら、ラ・フランスは、イケメンハーフで、センスが良くってとびきりイイ男であったからだ。今でも忘れられないのだが、ラ・フランスがデートに誘ってくれたシネマ、本当にシビレタ‼ 私はシネマなぞ1㎜も興味なかったのだが、映画音楽に感激した。

 あきづき梨のシーズンになると、ふとたまに思い出す。ラ・フランスと過ごした、あの夏の日を。しかし、リンゴのシーズンになると私は狂ったようにリンゴジャムを作りだす。儂はリンゴが大好きなのだ。

Fin

ハナヒメの話

 私(わたくし)の名前は木の実。名も木の実。

 私、高貴な生まれの木の実ですの。

 生まれはどこか知らないわ。でもいつか牛車に乗った従者が私を迎えに来て下さるに決っているね。

 どうして知っているのかって? それは、カモメのジョナサンから聞いたからよ。ジョナサンって誰かって? 決まっているじゃない、カモメは皆、ジョナサンよ。

 今日、とってもショックな出来事があったわ。ジョナサンから聞いたの。ここは海という所で木の実が育たないらしいの。

 私は泣いたわ。自分の不運さ不幸さを。だって、海は広すぎるもの。泣き疲れた私は、考えたわ。とりあえずジョナサンにたずねたわ。

「陸まで乗せてちょうだい」って。

そしたら、ジョナサンはこう言ったの。

「私はジョディーよ」ですって。

私、何も知らなかったの。例えばカモメ一羽一羽に名前があることさえも。

 ふと目覚めると夜明け前だった。私(わたし)は昔、海上でおきた事を夢で見て思い出していた。ジョディーとのやり取りの後、私は知恵をつけ、運?もあり、陸に上がることが出来た。

 そして私は大樹に成長した。翼を広げ空をつつみ込むように枝を広げた広葉樹へと成長した。

 成長した私は自分がどんな木かよく分からなかった。

 サクラのように花を咲かせるのでもなく、栗の木のように実をつけることもなかった。

 もしかして、キンモクセイのように良い香りがするのではないのか、と動物たちにも聞いてみたが、ただの木であった。

 私は考えることをあきらめた。

 日々をあきらめていたある日、胸がチクッと痛んだ。そして気付いたのだ。私には何か感じる心を持っていることを知った。

 それからというもの私は風を感じたり、天から落ちるシズクの不思議さに心を動かすことの感情を知った。

 やがて私は、動けない悲しみがいやされ、幸せであたたかい気持ちになった。

 そして今、私はたくさんの実をつけることが出来た。

 そして、鳥たちが私の子供たちをはこんでいる。

儂のWhat is anything! 【全9回】 公開日
(その1)第1章:参の話 2020年6月30日
(その2)第2章:肆の話 2020年7月31日
(その3)第3章:伍の話 2020年8月31日
(その4)第4章:零の話 2020年9月30日
(その5)第5章 アップル・マーチ 2021年10月29日
(その6)第6章 鳥たちの神話 2021年12月27日
(その7)第7章 鳥たちの神話~唐須の話~ 2022年1月28日
(その8)第8章 鳥たちの神話~高田の話~ 2022年2月28日
(その9)第9章 阡の話〜ハッピー・エンディング〜 2022年3月31日