著者インタビュー

自分の書籍が100冊納品されたときに、涙がボロボロ出ました。

私の悲痛な叫びを唯一受け止めてくれたのが「水曜日のヘルパーさん」だった。
普段は穏やかな、優しい笑顔のヘルパーさんが、作業用のエプロンを身に着けながら私の目を見て言った。

「いいですか! お父さんが悪いんではありません! お父さんが悪いんではありません! 病気が悪いんですよ! 分かりますか! いいですか! 私が頑張りますから、私が頑張りますから! 一緒に頑張りましょう!」そう言いながら私の両手を握ってくれた。

あの、ヘルパーさんがいたからこそ、あの言葉があったからこそ、ここまで辿り着けたのではないか。(本文より)

―今回、出版をしようと思ったきっかけを教えてください。

老いと認知症に最後の最後に苦しみ抜いたわが父のかたき討ちをしよう、ただそれだけを思って、出版を決意いたしました。

―制作中によかったと思えたのはどんなことですか?

原稿執筆や校正など、書籍制作に関わるすべての作業は亡き父の書斎で行いました。書斎の正面には父の遺影があり、左手には神棚がありました。制作の過程で、私は何度も父の遺影を見上げ、心の中で会話を交わすことができました。

―完成した本をどんな方に読んでほしいですか?

お世話になった先生方、ケアマネさん、介護支援事業所の方々、地域包括支援センターをはじめとする、行政機関の方々、全てのお世話になったみなさんに手に取って欲しいです。
感謝の気持ちを込めて、お礼の思いを一冊に込めました。

―書籍に込めた思いを教えてください。

書籍のタイトルでもある『船出…』は、もう一度父を船に乗せてあげたい、今一度 好きだったクルージングをさせて上げたい、との思いで名付けました。

しかし、制作の過程で、船出をするのは誰なのか…それは家族や自分自身が新たな旅に出ることなのではないかと感じるようになりました。老いや死別は誰にでも訪れ、誰もが経験するものです。

『世の中に たえなぬ別れのなくもがな 千代もと祈る 人の子のため』という在原業平の『伊勢物語』東下りの章にある和歌の意味を、改めて考える機会にもなりました。


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