著者インタビュー

私の名前で世に出た書籍が書店やネット通販に並んでいて、今でも夢見心地です。

時は戦国、下級武士として伊達政宗に仕官した伊藤三右衛門家。
陰ながら主君を支えた伊藤家はどのように知行地を拡大させ、繁栄の道を歩んでいったのか。
八世代にわたる二百八十年の軌跡を、史実をもとに描いた歴史小説。

 

主君の改易により浪人となるも、新たに伊達家へ仕え始めた伊藤肥後信氏。
一六一五年、激闘となった大阪夏の陣で、老武士ながらも見事に功績をあげた信氏は、戦いのさなか、逃げまどう敵方の姫と幼子たちを助けることに。
敵対関係から一転、仙台城で暮らすことになった彼らと信氏が繋いだ不思議な「縁」は、時を越えて伊藤家の栄華に深く関わっていく――。

―今回、出版をしようと思ったきっかけを教えてください。

きっかけは、私の父が生前に残した「伊藤家の家系図」でした。資料不足で江戸時代の家系が確認できなかったが、調査を進める中で、仙台藩・伊達家の古文書にわずか10行程度の分量で、私の目の前に現れた仙台藩下級武士「伊藤三右衛門家」の一家は、時代の波の中で、栄光から没落までの様々なドラマ性を秘めており、「これは一つの物語になる」と思い、小説形式で執筆を進めました。

―制作中によかったと思えたのはどんなことですか?

一つは、書籍が出来上がるプロセスを体感できたことです。もう一つは、周りの友人知人の励まし、応援です。本の発売後、10冊も買ってくれた友人もおりました。本書のテーマである「人の縁」の有難みが心に沁みました。

―完成した本をどんな方に読んでほしいですか?

まずは、戦国から幕末までの近世武家社会に関心の深い方で、著名な武将たちの英雄譚に飽き足らない方、下級武士の暮らしに関心のある方、仙台藩・伊達家をより深く知りたい方などに、ぜひ読んでいただきたいと思っております。

また、本書で貫いたテーマは「人の縁」です。時代を超えて、人の縁というものの物語に関心の高い方にも、是非読んでいただきたいです。

―読者へのメッセージをお願いします。

まずは、本書に少しでも関心が芽生えたら、ぜひ読んでいただきたいです。 そして、感想をSNS、ネット通販のレビュー投稿など、手段は問わずぜひ教えてください。プラス評価でもマイナス評価でも、執筆の糧になります。皆さんのご意見をお待ちしております。

―これから出版を考えている人へのメッセージをお願いします。

今はソーシャルメディア全盛の時代。書籍、映画、テレビ等々、従来型メディアは冬の時代を迎え、書店数は減少し、出版不況が叫ばれ、「本を出す」ことは生半可な気持ちではできません。 執筆・出版の基本は読み手の事を考えることだと私は思います。読み手の心を本の世界に引き込むためには、どうやって構成を組み立てて表現をしていくのか、基本を立ち返りながら執筆を進めていけば、成功のチャンスがどこかにあるものと思います。


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