著者インタビュー

【緊急企画!GLO独占インタビュー】話題沸騰のミステリー作家 由野寿和さんが語る〜物語を生み出す源泉と未来への展望〜

2025年1月22日、株式会社幻冬舎本社ビルにて、特別企画「話題沸騰中のミステリー作家にインタビュー!」を開催しました。

 

デビュー以来、その映像的な表現と人の心の深淵を抉るようなストーリー展開で読者を魅了し続ける新進気鋭の小説家・由野寿和(ゆうやとしお)さん。今回のインタビューでは、作家としてのルーツ、創作の秘密、そして今後の展望について、熱く語っていただきました。

 

本インタビューはゴールドライフオンライン独占インタビューより、一部抜粋・編集したものです。元ページはこちら

映像の世界から物語の創造へ

――小説家の由野寿和さんに来ていただいております。本日はよろしくお願いします。

はい、よろしくお願いします。

――1990年福岡県生まれで、高校卒業後にアメリカに単身で行かれたとのことですが、まずは、アメリカで映像を学ばれた経緯についてお聞かせください。

小さい頃から映画が好きで、父の影響でハリウッド映画をよく見ていました。映像の世界で働きたいという気持ちがずっとあり、大学ではアニメーションやグラフィックを専攻しました。

――大学を卒業された後、日本に戻られたのですか。

卒業後は、アニメーションスタジオでディレクターとして4年ほど勤務し、2018年頃に日本に帰国しました。現在は働きながら、執筆活動をしています。

――映像の世界から、小説の世界へと足を踏み入れたきっかけは何だったのでしょうか。

もともと「物語」が好きで、父の影響で「映画」を幼少期からよく見ていました。その延長で映像制作に携わりたいと思っていましたが、文章で物語を具現化する創作活動自体は、小学生の頃から趣味で続けていました。高校生の頃には、漫画を描いたりもしていましたね。

――読者の方からは「映像が浮かびやすい」「画面が浮かぶ」という感想がよく寄せられます。それは映像を学んだ経験が活きているのでしょうか。

それは大きいかもしれません。「こういう感じかな」と映像的なイメージを抱きながら物語を作っています。映像化を視野に入れた物語作りは、僕のスタイルの特徴かもしれません。

――視点を登場人物から、ニュース報道のような客観的なものへと切り替える表現も印象的です。これは意識されているのでしょうか。

意識はしていますね。ただ、僕は大量の本を読むわけでもなく、分析家というわけでもないんです。様々なコンテンツからインスピレーションを得て物語を組み立てている、という部分が大きいと思います。

ミステリーに魅せられた理由

――様々なジャンルがある中で、ミステリーを選んだ理由は何ですか。

大前提として、僕は人が好きなんです。人の感情や内面にすごく興味があって、それを描きたいと思った時に、ミステリーが自分のイメージに一番近いと感じました。元々は、爆発シーンなどインパクトのある映像を作りたいと思っていましたが、そういった行動には必ず理由があるはずだと考えるようになりました。

人と人との関わり、感情といったものを伝えたい、という思いが根底にあります。そこに、観覧車ジャックや高級住宅街といったユニークな要素を加え、エンターテイメント性も追求していきたいと思っています。

――『再愛なる聖槍』の「観覧車ジャック」や、『アイアムハウス』の「高級住宅街」など、舞台設定が非常にユニークですが、どのようにアイデアを得ているのですか。

基本的に、妄想が好きなんです(笑)。移動中や食事中など、常に何かを考えていて、それをメモしたりしています。そこから面白いアイデアを拾い上げて、ストーリーを膨らませていくことが多いですね。

――アイデアの源泉は、日常の中に潜んでいるわけですね。

そうですね。ただ、ストーリーの作り方は様々で、『再愛なる聖槍』は「観覧車ジャック」という着想から始まりました。観覧車は通常子供でも乗れる安全な乗り物ですが、そこに突然恐怖が加わるとどうなるかという感覚をエンターテイメントに落とし込みたかったんです。

『アイアムハウス』は、先にタイトルが決まっていて、そこからストーリーを構築しました。その過程で、高級住宅街や登場人物が出てきました。

――ストーリーの着想は、様々なんですね。

はい。

――印象的なタイトルにもこだわりがあるのでしょうか。

タイトルはとても大事にしています。ミステリー作品ですので、書店で表紙を見たときの第一印象と、読み終わった後の印象がガラッと変わる、という面白さを表現したいと思っています。

――『再愛なる聖槍』の導入部では、物語の核となる話が挿入され、それが最後に再び登場します。これは意図的にされたのですか。

はい。違和感のようなものを最後まで引っ張り、読者に何かを届けたいという思いがありました。

――『アイアムハウス』では、警察組織の人間関係や高級住宅街の特殊な雰囲気がリアルに描かれていますが、リサーチなどはされたのでしょうか。

舞台となる場所や人物のモチーフはありましたが、警察の管理体制や捜査の流れなどは、色々とリサーチしました。

―――『再愛なる聖槍』の観覧車の仕掛けは、現実的に可能なのかも調べられたのですか。

はい。あまりにも現実と乖離していると感情移入が難しくなると思うので、現実的に可能な範囲で肉付けをするように心掛けています。

 

多忙な日々の中から生まれる物語

――現在働きながら執筆活動をされていますが、メリットやデメリットはありますか。

働いていると、色々な人と接する機会が増え、新しいインスピレーションを得られることがあります。例えば『再愛なる聖槍』を執筆していた10年前とは価値観も変化しているので、その当時と今感じているものには結構ギャップがあります。

そこは日常での価値観が作品に反映してくる部分だと思います。それから僕は、毎日3時間執筆するというようなスタイルは苦手で、どちらかというと、締め切りに間に合うように集中して書くタイプです。

――物語の構想が頭の中にあって、それを一気に書き上げるという感じですか。

そうですね。書き始めがスムーズにいけば、勢いよく書き進められますが、なかなかうまくいかない時は、止まってしまうこともあります。

――ミステリー作品は、一つの結末に向かって進んでいくと思いますが、最後の展開は、書き始めから決めているのでしょうか。

基本的な流れは決めていますが、それに紐づく物語やキャラクターは、書いているうちに変化することが多いです。キャラクターが途中で生まれたり、状況が変わったりするのは、経験上よくあります。最近では、あまり固めずに、変化を楽しむようにしています。

――登場人物のキャラクターは、どのように作り上げているのですか。

主人公はしっかり固めていますが、それ以外のキャラクターは、物語の流れの中で生まれることが多いです。

――主人公には、モデルとなる人物がいるのでしょうか。

過去に出会った人の中で個性的だったり、面白いなと思った部分を参考にすることもありますが、基本的には、物語に必要なキャラクターをゼロから作り上げています。

――特に思い入れのあるキャラクターはいますか?

そうですね…、1作目の『再愛なる聖槍』ですと仲山ですし、2作目の『アイアムハウス』は深瀬です。2人とも主人公で刑事という役割ですが、似ているところもあれば違うところもあったりします。

どういう過去があり、どういう生き方をしてきたのかというところに興味を持ってもらえる、愛されるキャラクターにしていけたらいいなと常々思っています。

続く【後編】では、読者を惹きつけるストーリー展開の秘密、編集者との二人三脚での作品作り、そして今後の展望について、たっぷりとお届けします。乞うご期待ください!

【後編】はこちら(ゴールドライフオンラインへ)↓
【緊急企画!GLO独占インタビュー】話題沸騰のミステリー作家
 由野寿和さんが語る〜物語を生み出す源泉と未来への展望〜【後編】

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