いつ執筆できなくなるか分からなかったので、出版を決意しました。
明日への小さな希望を抱いたり、不条理な世の中に絶望したり――。
無機質な箱船に暮らすスズキ青年の“平凡”な日常をコミカルに描いた、新感覚・連作短編小説。
・死神とラケットで隠火を打ち合う! 「霊川怨球」
・行方不明となった“無個性”のコオロギを探す 「コオロギ捜査網」
・カレーパンで一獲千金を狙う! 「シューリンガン事件」
前作『ハビタブル・ゾーン』でお世話になった幻冬舎ルネッサンスの編集部の方から、「あの内容に近い作品をもう一度」と提案をいただいたことがきっかけです。
―制作を進めるなかで印象的だったことを教えてください。執筆活動に波があるが、マス・メディアやウェッブ上他のお客様とのコミュニケーションからインスピレーションを得る時期が重なった。病気や編集部からの高い要望で執筆を辞退しようと考えた時期もあったが、完成してみれば書いてよかったと感じましたし、ネタが天から降ってくる、という感覚も多く味わえました。
―制作を進める中で印象に残ったことを教えてください。病気や体調不良が重なり、「もう辞退しよう」と考えた時期もありました。しかし、ネタがふと降ってくる瞬間や、アイデアが自然と芽吹く感覚を得られることが多く、それに突き動かされて執筆を続けました。
終わってみれば、やはり書き切れてよかったと感じています。
―書籍に込めた思いを教えてください。戦後日本の平和と多様性を感じつつも、新自由主義による社会の引き締めのような圧力も強く感じています。
この作品では、「正解」を示すのではなく、そんな社会の中で自分がどう影響を受け、どうあがき、時に失敗したのかを描きました。
ユーモアを交えつつ、気軽に楽しんでいただける作品になれば幸いです。
―読者へのメッセージをお願いします。幸福感や立派さ、生きる目的がなくても、社会の中で淡々と日々をこなしていくことが十分に価値あることだと思います。
目の前の雑事を処理するための知恵と判断力があれば、それで十分幸せだと言えるのではないでしょうか。
そんな日々の営みに少しでも寄り添う作品になれば嬉しいです。
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