自分自身の人生の集大成を形にした一冊
第170回直木賞候補作家・村木嵐氏絶賛!!
「なぜ司馬先生はあれほど優しかったのか。
周囲を魅了し続けたその理由に、本書で初めて確信が持てました」
生誕から百年。
現存最古の作文を発見した著者が、彼の貫いた知られざる「信念」に迫る。
司馬作品には共通して”愛”があり、その背後には幼少時代と作家時代に巡り合った師の存在が色濃く感じられる。
彼の母校に勤めた著者が見つけた、小説家を志す福田定一少年の作文、そして数多の文献や講演録から、司馬氏の壮大な人生と美学を繙く前人未踏の試み。
書き溜めていた原稿がある程度の量になったことと、自分が七十歳を超える年齢になり、残りの人生を考えたことで、一つの形あるものとして本を残したいと本気で考えるようになったのがきっかけでした。
―制作中に大変だったのはどんなときですか?本の執筆で最も苦労したのは、硬い文体から不慣れな口語体への転換です。次に大変だったのは、引用文献の正確な記録と整理です。特に、後から重要性が判明した過去の文献を再度探し出すのが困難で、大量の資料から必要な情報を探し出す作業は絶望的なほど大変でした。
―制作中に大変だったことをどのように乗り越えましたか?口語文への修正は何度も声に出して読み、繰り返し書き直すことで克服しました。この困難を乗り越えられたのは、司馬遼太郎の著作に散りばめられた覚悟についての言葉があったからです。特に「最後はやっぱり直感に頼るしかない」「自分を面積も質量もない、点のような存在にしないと物が見えてこない」という助言に勇気づけられました。結果として、司馬氏自身の言葉に支えられながら、司馬氏について書くという状況になりました。
―制作中によかったと思えたのはどんなことですか?司馬氏がご自身で話した事や書いた数多くの断片を内容別に細かく分類し、雑誌、インタビュー記事、講演録といったメディアや年代の枠を外して整理したことで、新たな洞察が得られました。これにより、司馬氏への総合的な理解が深まりました。また、小説中の言葉が単なる創作ではなく、司馬氏の人生経験から生まれたものだと実感できたことも大きな収穫でした。
―完成した本をどんな方に読んでほしいですか?司馬遼太郎の作品の根底には、自分の進むべき道に悩んでいる人や孤独感にさいなまれている人への励ましがありました。中学時代の恩師の優しさに影響を受け、司馬氏は作品を通じて、真の優しさが人生を変える力を持つことを繰り返し描きました。『竜馬がゆく』や『世に棲む日日』などの主人公たちの苦悩は、司馬氏自身の経験も反映しています。著者は、社会になじめない人々が司馬氏の作品を通じて励ましを見出してほしいと願っています。そして、自身の本もそのきっかけになれることを願っています。
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