著者インタビュー

書き残しておくことの大切さ。

2000年12月末、山あり谷ありの2人旅が始まった。
壮大な寺院や仏塔、色鮮やかな町並み、のどかな田園風景、家庭的なネパール料理……。
そして、現地の人々とのふれあいを通して気づかされた本当の豊かさと人間の強さ。
日本では考えられないような驚きの数々とともに、笑いと感動に満ちた旅を辿る。
出会ったネパリーたちとつむぎ、音楽と祈りで彩られた思い出を描くエッセイ。

―出版後のお気持ちはいかがでしょうか?

感無量です。
9年前に亡くなった友人との最後の旅をまとめようと思い立ち、旅行記を書きはじめました。最初は自分で印刷して綴じる、あるいは地元の印刷会社で製本してもらう程度に考えていましたので、こんなに素晴らしい本ができたことは、友人もきっと喜んでくれていると思います。
また、恩師や知人、同級生にはかなり驚かれました。私が音楽好きなので、ヨーロッパの大作曲家たちを巡る旅なのかと思ったら、ネパール。しかもその内容の濃さに意外な一面を見た、といったコメントが多く寄せられました。刊行をきっかけに久しぶりに集まる機会が増え、改めて出版の反響やすごさを実感しています。

―今回、出版をしようと思ったきっかけを教えてください。

せっかく執筆するなら、何かコンテストに応募してみようと思い、調べてみたところ幻冬舎ルネッサンスで「第1回旅行紀コンテスト」が開催されていました。応募しましたが、大賞には至らず……。ただ、内容は良かったので、もう少しブラッシュアップし、原稿のレベルを高めてみてはどうかとアドバイスをいただきました。また、自費出版についての話も聞き、こんなチャンスは二度とないだろうし、刊行するまでの過程をぜひ体験してみたいと思い、出版することを決めました。費用も気になりましたが、大学か何かの授業料だと割り切って挑戦することにしました。

―制作中に大変だったことはありますか?。

本文中に写真を使用しないと決めていたので、その土地の光景や建築物、楽器などが読者にどのように伝わるかを考えながら、何度も推敲したことは大変でした。特に、現地で聴いた音楽を表現するのが難しく、文章に書いては声に出して読むことを何度も繰り返しました。

―どのように乗り越えましたか?

編集者からのアドバイスが非常に役立ち、乗り越えることができました。例えば、「この部分をもう少し掘り下げてみてはどうでしょう?」など具体的な助言から、原稿をより良くすることができました。また、旅行から20年以上が経っており、記憶が曖昧な部分もありましたが、編集者からの指摘により、場面を鮮明に思い出すことができました。最終的にはコンテストに応募したときの2倍以上の文字数になりました。

―制作を進めるなかで印象的だったことを教えてください。

カバーデザインを決める過程です。メインカラーとして、大好きなセージとパープルを使用したいと思っていました。また、当初は、私が撮影した楽器やお面などの写真をちりばめる予定でしたが、デザイナーからイラストにしてはどうかという提案があり、いくつかのイラストから、タッチも選ぶことができました。このように、著者の好みや意見をしっかり理解した上で、作品の雰囲気に合うデザインに仕上げていただき、予想以上の完成度に大満足です。また、シルバーの帯、見返しの紙質と鮮やかなターメリック色にも驚きました。この本を手にした方々が声を揃えて、カバーデザインを誉めてくれます。カバーデザインの良さは、本を手にする喜びをより一層高めてくれました。

―書籍に込めた思いを教えてください。

亡くなった友人への尊敬と感謝の念を込めて、また、彼女をはじめ彼女の家族や知人に捧げたいと思いながら執筆しました。書くことで心が整うような感覚がありました。また、この頃ひとり旅がブームになっていますが、2人だからこそ深まる旅もあるということも伝えたかったのです。そして、小さなノート20ページの旅の日記が、50号にわたる学級通信の連載を経て、1冊の本になったことから、書き残しておくことの大切さも知っていただけたらと思います。

―これから出版を考えている人へのメッセージをお願いします。

後悔しないためにも挑戦することをおすすめします。
執筆の過程で伴走してくれる編集者がいます。自分だけで執筆する時と異なり、読者目線からのアドバイスを受けることができますし、これはとても貴重な体験でした。私の場合は約1年かけてじっくり取り組みましたので、焦ることなく、自分のペースで進めることができた点も良かったです。ぜひ多くの方に出版という体験していただきたいと思います。


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