著者インタビュー

わが家に降りかかった「青天の霹靂」。
世間に判断してほしいという思いで執筆しました。

いつか、笑って振り返られる時がくる

 

将来を嘱望された、愛する息子たちを突然襲った事件。
膨大な日記、メール、手紙を紐解き、真実を追い求めたオカンが綴った記録。

―刊行された今のお気持ちはいかがでしょうか。

正直、安堵と不安が入り混ざった気持ちです。
元々は、わが家の名誉のために、克明に付けていた日記などを記録として残しておきたいという思いでしたし、今考えても正しい判断だったと確信しています。しかし、実際に公になることで、少なからず影響があることを考慮し、その対応も考えなければならないことを学びました。

また出版の一番の目的は、息子たちの名誉回復と、わが家の平穏を取り戻すことでした。 そのことは、ほぼ達成できました。この先、また何か大変な出来事に遭遇した時には読み返し、「あの時の自分」を振り返り、慈しみ、前に進んでいければと思っています。

―出版のきっかけを教えてください。

最初は、息子たちに降りかかった「青天の霹靂」の事態を、世に判断してもらいたいという気持ちでした。自分の無力さを感じていましたので、「ペンは剣よりも強し」に懸け、日記だけでなく多くの資料を集めました。振り返ってみると、あの時期、よくあれだけのエネルギーを持っていたものだと驚くと同時に感じ入るところがあります。

―制作中に大変だったのはどんなときですか?

資料の整理が大変でした。日記だけならいいのですが、メールや手紙、各種書類、録音や文字起こしなどに多くの時間を要しました。それらを時系列に整理し、関連付けたのですが、当時は裁判も同時進行しておりましたし、なかなかハードな状態でした。

―制作を進めるなかで印象的だったことを教えてください。

資料を整理する過程で、色々な出来事を思い出し、涙が溢れて手が止まることがしばしばありました。また、わが家に降りかかった「青天の霹靂」により、周囲の人々の態度の変化に傷つくこともありました。信頼し、尊敬していた人たちから距離を置かれたことは想定外でしたが、それまで浅いお付き合いだった人が思いもよらず共感し、励ましてくれたことには救われました。また、動じずにずっと支えて続けてくれた人たちには深く感謝しております。

―完成した本をどんな方に読んでほしいですか?

人生にはこんなことも起こりうるということをお伝えする意味では、若い世代に読んでいただきたいです。友人が中学生の子どもの夏休み読書感想文にしたいと言ってくれたのは嬉しかったのですが、とはいえ、一番読んでほしいのは同世代の方々です。同じ時代を生きた人には、バブルの時代から今日に至るまでの社会の変遷や世の中の雰囲気を感じていただけるのではないかと思っております。

―これから出版を考えている人へのメッセージをお願いします。

出版には、自身の強い意欲や動機とともに、多大なエネルギーや持続的な情熱が必要だと考えています。同時に、自分の思いに共感し、実務や現実を教えてくれる編集者やスタッフとの出会いが大切だと思います。出版を成し遂げた時の達成感は格別です。多くの皆さまに、その達成感を味わっていただけることを願っております。


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