20年にわたって磨いてきた考え方や手法を、一つの形にまとめたいと考えていた時期でもありました。
ハーマンモデル理論に基づいて人間の特性を4つの脳タイプによって分類し、リーダー自身の苦手とする他タイプの思考特性の鍛えかた、各タイプの部下へのアプローチ法等を解説。
自分と違う脳タイプの部下に、自分の経験に基づいたアプローチをするのは「フライパンというやつは、カレーも味噌汁も作れないダメな料理器具だ」と言うようなもの、といったわかりやすい表現で書かれており、堅苦しさがない。
「マンツーマンサポート」で数々の企業において人材教育の実践を積み重ねてきた著者が、すぐに簡単に取り組めるノウハウ、ツールを惜しみなく紹介。
「冒険心溢れるDタイプ」である著者が数々の自らの失敗談を披露したコラムも楽しい。
本書に書かれた3つの極意をマスターしたら、あなたもきっと最強リーダーになれるはず。
『経営者通信』や『ニッポンの社長』等、いくつかの経営関連のwebサイトで、「次世代リーダー育成」についてのわたしの考え方や手法についてご紹介いただいています。web掲載記事に関心を持ってくださった方から、「本を書いてみませんか?」と言われたことがきっかけです。
これまで20年以上の間、企業の現場で活躍するリーダーをサポートし続けてまいりました。そこで磨いてきた「リーダーとして、メンバーのポテンシャルを引き出し、チーム成果を継続的に生み出すにはどうしたらよいか」という考え方や手法を、きちんと一つの形にまとめたいと考えていた時期でもありました。
現場でリーダーの皆さんが直面されている課題の解決は待ったなしです。
目の前に立ちはだかる複雑な問題状況を整理し、解決への突破口を一緒に見つけ出し、その解決プロセスをスピーディに実現していくために、シンプルでわかりやすいサポートを心掛けています。そうした日常の意識を反映すべく、「シンプルでわかりやすく、面白いのに役に立つ本」を目指しました。
私の恥ずかしい失敗談もたくさん盛り込みましたので、笑っていただける一方で、内容に対する不安感(?)を持たれてしまうのでは……と心配でしたが、読んでいただいた方からは、「面白く一気に読めてすぐに活用できそう」「上から目線じゃない立ち位置がいい」等の嬉しいお声をいただけており、ホッと胸をなで下ろしています。
―編集者とのやり取りで印象深かったことはありますか?本の中でも記載していますが、私の脳タイプが「冒険・創造・アイデア・挑戦」を好むタイプですので、一度書いた原稿でも、数日後には、もっと面白い展開や表現を思いついてしまい、修正や書き直し、構成の組み立て直し……が続きました。最初は編集者も受けとめてくださっていましたが、あまりにそれを続けるので、後半は、しっかり管理(笑)されました。
ちなみに、ご担当いただいた編集者は、「論理・理性・分析・合理的対処」を好むタイプですので、チームの組み合わせとしてはちょうどよかったですね。
それと、もう一つ。本の中で使うイラストについては、当初、外部のイラストレーターにお願いをする予定でした。けれども、わたしの娘が大学でイラスト・アニメーション制作を専攻していることから、娘の描いたイラストを見ていただいたところ、この本のイラストとして採用していただくことになりました。三成・家康・秀吉・信長の4武将をはじめ、すべてのイラストがわたしのイメージ通りに仕上がっています。わたしのはじめての本が、このような形で娘との共同作品になったことは、とてもよい記念になりました。
多くの企業で、「強い組織を創る」「筋肉質の組織に」「組織の活性化を図る」等のテーマを掲げて取り組みを進めていますが、では、「具体的にどんな状態になっていたいのか?」「何がわかって、どんな行動が顕在化していればよいのか?」……という点が明確になっていないことが多いように感じます。そのような状況のままいろいろな試みをしても、明確なゴールがないため、全体としての活動がバラバラになりやすいようです。数字や指標では設定しにくい「人」へのアプローチですので、方法論として一本化しづらいということもあるのでしょう。
そこで、わたしは本書で次のような全体モデルを提案しました。『①リーダー自身を含めたメンバー一人ひとりの思考行動特性を科学的に診断し、チーム特性を理解する。②一人ひとりが各持ち場で成果を生み出せるように必要な思考行動特性を補強・伸張させる。③チームの目的目標を実現する「リーダーシップ強化ツール」を活用してメンバーに効果的に働きかけ続ける』というものです。
取り上げている一つひとつの理論やツールは既存のもので、広く知られているものもありますが、これらを組み合わせて全体として機能するシステムに組み立てたのがわたしのオリジナルな部分です。これまでも多くのリーダーの方から、「チームマネジメントの進め方がとてもわかりやすく有益」「個人の力をチーム目標の実現につなげていくプロセスがよくわかった」「リーダーの役割は人を育てることだと言われて戸惑っていたが、どうすればよいかがわかった」等の声をいただきました。
これからも、わたしの志である「一人ひとりが自分のポテンシャルを活かし、自ら納得できる生き方で社会的価値を生み出し、喜びを分かち合える社会を創る!」に向き合い続けたいと想います。
本書が、読んだ方の職場や人生を明るくする一助になればこれ以上の喜びはありません。
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