生きている間は挑戦を続けたい。
“徒然草の美人”に、心奪われた。
サークル掲示板の前に立つ彼女の手には、一冊の書籍。
夏生は、彼女の「たやすからず思はれむ」男になれるのか。
一年のモラトリアムを経て、大学進学を決意した夏生。物がない、お金がないなかでも、文学サークルに顔を出し、安いアルバイト代で本を読む日々は充実していた。
店の常連・玄二と薫子の奇妙な関係や、親友と難聴を患う少女の支え合う姿に、彼は何を思う――。
一九八〇年代の情緒溢れる京都を舞台に繰り広げられる、ほの甘い青春物語。
素直に嬉しいです。同時に、一人でも多くの方が自分の書いた本を手に取ってくださるよう、祈るような気持ちでもあります。そして、作品の内容だけではなく、読みやすいページレイアウトやグッと目を引くカバーデザインなど、最後まで二人三脚で進めてくれた編集者に感謝の気持ちでいっぱいです。
―制作を始める前に不安はありましたか?不安はありませんでした。むしろ、とっても楽しかったです!
編集者からはエピソードの焦点を絞り込むことや文章中の中途半端な構成、独りよがりな表現があることを指摘されました。どの指摘も親身で、編集者自身も原稿をより良くしていきたいと真剣に取り組んでいる姿勢が伝わってきて嬉しかったです。
設定が1980年の京都市なのですが、エピソードとして組み込んだ祭や行事当日の天候、気温、キャラクターのファッションを設定通りにすることに気を配りました。これは大変だった部分もありますが、楽しかったです。また、ハンディを抱えた人物の描写に差別的なニュアンスが出ないようにすることには時間をかけて考えました。
―制作中によかったと思えたのはどんなことですか?編集者と頻繁にメールで連絡を取り合い、方向性を共有しながら作品づくりに取り組めたことです。一人では気付けないことをたくさん教えていただきました。何よりも編集者が何度も何度も原稿を読んでくれたことが、アドバイスやメールの文章から伝わってきて嬉しかったです。一緒に取り組んでくれる人がいるということを実感できたことは大きな励ましになりました。
―制作を進めるなかで印象的だったことを教えてください。送られてきたカバーデザイン案を見た時は仰天しました!
数人のデザイナーの作品サンプルを送っていただきましたが、自分が考えたキャラクターのイメージにぴったり合っていることも印象的でした。また、帯に書かれた紹介文からも原稿を読み込んでくださっていることが伝わってきました。プロフェッショナルの仕事だなと唸ってしまいました。
「人に恋することは素晴らしい」ということを書きたかったのです。それを現実離れした設定ではなく、どこにでもあるような身近な設定やエピソードで、また、光がすうーっと射してくるようなエンディングで表現したかったのです。また、読者がまるで映画を観ているかのような感覚を味わえる描写を心がけました。中華料理を作る、食べる場面が多く登場しますが、どのように表現したら料理が目の前にあるような臨場感を文章で伝えられるかも挑戦したことのひとつです。
―これから出版を考えている人へのメッセージをお願いします。自分の文章が本になって書店に並ぶことは素敵なことです。ただし、手に取ってくれる方は少ないかもしれません。しかし、ゼロではないと思います。(僕の場合はゼロではありませんでした)未知の読者と繋がる可能性を現実にしてくれるのが出版の魅力です。広範な販路を持つ幻冬舎ルネッサンスは、その可能性を現実のものにしてくれます。人は生きている間は挑戦しなければ面白くないと思います。私も次の作品に向けてチャレンジ中です!
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