自分史について
自分史というと、過去には偉人の自伝的イメージがありましたが、現在は、様々な方がご自身の歴史をまとめ、今後の人生への道標にしたり、家族や世の中の人々に残すものとして定着し、一般的になってきました。しかし、書籍としてまとめようとすると、ご不明な点が多いかと思います。
こちらでは自分史の書き方を解説いたします。
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自分史の書き方講座
自分史を書く目的を定める
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自分史制作は1日や2日でできることではありません。数ヶ月、人によっては何年という月日をかけて制作していく一大プロジェクトです。
だからこそ「自分史をなぜ書くのか」という目的をしっかり決めることがとても大切です。自分史を書くのが少し大変な時でも、その目的を確認することで書き綴っていくモチベーションが維持できます。また目的が明確になっていれば途中の遠回りが減り、時間をかけたらかけた分だけしっかり形になるはずです。
目的例を3つご紹介しますので、こちらを参考いただき、自分史を書く目的を明確にしてみてください。
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自分史を書く目的例:その1――経験を後世に伝える
- あなたが生きてきた人生の経験を自分史として残すことで、ご家族をはじめとする後世の人たちにとって、人生の参考書になります。「自分の経験を未来に残す」ことは、自分史制作の一番の目的とも言えるでしょう。
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自分史を書く目的例:その2――コミュニケーションツールとして作る
- エピソードを詰め込んだ自分史は、あなたを理解してもらえる良いツールとなります。また、自分史を編纂することで、自身の経験がしっかりと整理され、自分の魅力を人にうまく伝えられるようになります。
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自分史を書く目的例:その3――今後の進路のための棚卸をする
- 今までの経験を棚卸しすることで、自分のやりたいことや進むべき道が明確になってきます。自分が今まで何を経験して何ができるのか、どのように思ってきたのか、を見つめ直すことで、これからの人生の方向性が見えてきます。
自身の年表、履歴書をつくる
- 目的を明確にしたら、自分の経験を整理するために、年表を作っていきましょう。
いきなり文章を書き始めると、それほど重要ではない出来事に、多くの文字数と時間をかけてしまったり、逆に書かなければいけないことを書き忘れてしまうことが起こります。
また、年表を詳しく書くと出来事の前後関係も明確になり、書き直しがなくなります。
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西暦、年齢、社会情勢などを順に並べる
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自分が生まれてから現在までの西暦や年齢を、順に書きだしてみましょう。
年表自体は自分史そのものではないので、それほど凝って作る必要はありません。自分でわかれば十分です。まずは箇条書きで出来事と起こった時期を書いていきます。
併せて、年ごとに社会情勢を記入しておくと、過去の出来事を思い出しやすくなります。
細かく記入する必要はありませんが、オリンピックや大震災など、大きな出来事は押さえておきましょう。
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学校、職場、住んでいた場所などで大きな区切りをつける
- 続いて、学校や職場、住んでいた場所などで大きな区切りをつけてください。
最も分かりやすいのは学校でしょうか。
例えば、以下のようなイメージです。
○○幼稚園
○○小学校
○○中学校
○○高等学校
○○大学
このように区切りをつけておくことで、当時の友達や教師、好きだった異性、楽しかった部活や苦手だった教科などが鮮明に思い出されるはずです。
テーマを考える
- 予めテーマが決まっている場合は、年表から書き出す項目をピックアップして決めていきますが、まだテーマが決まっていない場合は、年表を参考に過去から現在までの出来事の中に見える『共通点』を探すと、テーマが見えてきます。いつも考えていた、感じていたことは何でしょうか。
例えば「感謝」という気持ちは一般的によく使われているテーマです。他にも激動の人生を送ってきた人なら、「熱意」や「熱狂」なども普遍的なテーマとして扱いやすいです。
形式を決める
- 自分史は単純に時系列で記録するだけではなく、様々な形式で書くことができます。
テーマが決まったら、どのような形式が表現にふさわしいのか、考えてみましょう。
ここでは、いくつかの例を挙げます。
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時系列形式
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時系列形式とは、時代の流れに沿ってエピソードを並べていく最もオーソドックスな構成パターンです。
時系列形式を採用する人の多くは、自身が生まれたときのことを本編の筆頭エピソードとします。一方、もっと時代を遡り、祖先や両親のことから書きはじめる人も少なくありません。
時系列形式がおすすめの方
- 自分の人生を文章として満遍なく残したい。
- どの時代においても、人生を語る上で欠かせないエピソードがある。
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テーマ形式
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テーマ形式とは、テーマを中心に据えてエピソードを並べていく構成パターンです。
テーマ形式には、テーマを1つに絞るほか、 複数扱う場合もあります。テーマを1つに絞る場合は、テーマを語るうえで最も重要なエピソードを先頭に置くと、インパクトが出ます。一方、複数のテーマを扱う場合は、テーマごとに章を独立させると、スマートに仕上がります。
テーマ形式がおすすめの方
- 大きな成功体験や夢中になっている趣味、何よりも大切なものがある。
- 自分の人生を通して伝えたい大きなメッセージがある。
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エッセイ形式
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エッセイ形式とは、人生において印象的だったエピソードをつれづれなるままに並べていく構成パターンです。
エッセイ形式を採用する人の多くは、浮かんでくるエピソードを順不同で並べています。そして、それぞれのエピソードは原稿用紙1~2枚程度の短いものであることが一般的です。
エッセイ形式がおすすめの方
- より気軽に自分史を執筆したい。
- 書きたいエピソードに偏りがある。
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遺言形式
- 残された家族や世の中へのメッセージであるとともに、死と向き合う著者に未来への希望を与えるものでもあります。
通常、遺言というと相続や財産処分についての取り決めが中心となりますが、遺言としての自分史は、本人の気持ちに重きを置いて書くことができます。
どのように気持ちを整理するかは、年表を作成して人生を振り返っても良いですし、終活に必要なポイントをまとめられるエンディングノートをヒントにしても良いでしょう。
構成、目次を考える
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実際に文章にするにあたって、全体の構成を明確にしていきましょう。
1,000~2,000文字といった少ない文章であれば、書きながら構成を考えていくことも不可能ではありませんが、10万文字、20万文字といった膨大な文字数になってくると、行き当たりばったりの書き方では、何をどこに書いたのかもわからなくなり、行き詰まってしまいます。
目次作りをすることで、膨大な分量が「少ない文章の集まり」という形に細分化され、無理なく書き進めていくことができるようになります。目次の作り方は以下の2ステップです。
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ステップ1:3~5項目程度に大まかに分ける
- 例えば、先に挙げた時系列形式で作る場合は、目次を「子供時代」「青年時代」「社会人時代」といった形で構成を分けることができます。さらに「独身時代」「○○会社勤務時代」など、作成した年表のボリュームと見比べながら、もう少し詳細に項目分けしても良いでしょう。
他の形式においてもエピソードごとに分けて項目を分けていきます。
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ステップ2:それぞれで書きたいエピソードを小見出しにしていく
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それぞれの項目の中から、特に伝え記しておきたいことをピックアップしつつ、さらに細かな見出しに分けていきましょう。極力各見出しの配分が均等になるように心がけると、一定のペースで執筆が進み続けやすくなります。
それでは、準備が整ったら実際に本文を書きすすめていきましょう。
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