初心者おすすめ短編小説の応募先と新人賞を目指すなら注意すべきこと
「自分で書いた小説を応募したい」と、本出版を目指すなら一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
しかし、いざ応募するとなると、どこに応募すれば良いのかを始め、基本的なルールが分からず戸惑うことも多いと思います。
そこで、本コラムでは、初心者でも応募しやすい短編小説の応募先や新人賞を目指すなら知っておくべき基本ルールをまとめました。
最後まで読めば、挑戦したい応募先の候補が見つかり、小説応募時に注意すべきことへの知識も得られるはずです。
初心者の応募におすすめなのは短編小説
まずは、初心者が小説応募を考える場合、どれくらいの長さの募集を選ぶのが良いのかを考えてみましょう。
短編小説、長編小説の長さの違い
短編小説にも長編小説にも決まった長さの定義がある訳ではありません。そのため、解釈によって多少の違いはありますが目安としては下記の通りです。
短編小説
短編小説は、400字原稿用紙で10枚から100枚未満、文字数だと4,000字から40,000字の構成の作品を指して分類されます。
※短編の中でも、原稿用紙10枚程度の物をショートショートと分けることもあります。
長編小説
長編小説は400字原稿用紙で300枚前後の作品、文字数は10万字以上になることも多いです。
初心者に短編小説の応募がおすすめな理由
初めての小説応募で、いきなり300枚以上の長編を書くことは極めて難しい作業です。そのため、まずは短編小説への応募で規定の分量を書きあげる経験をすることが大切になります。
とはいえ、短編小説では短い範囲でテーマを伝えきることが求められ、“初心者でも簡単”という訳では決してありません。
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初心者が応募しやすい短編小説応募先5つ
ここでは、初心者でも応募しやすい短編小説の募集例を5つご紹介します。
・主催:株式会社集英社 オレンジ文庫編集部
・応募原稿:400字詰め縦書き原稿25~30枚
・賞金: 入選20万円、佳作10万円
・応募資格:新人に限る
・応募内容:日本語で書かれた、自作未発表の作品。
・主催:株式会社文芸社(後援:毎日新聞社営業総本部)
・応募原稿:長編部門400字詰原稿用紙換算で50枚以上、400字詰原稿用紙換算で2~8枚。
・賞金・副賞
【長編部門】
最優秀賞1点(文芸社より書籍化・出版、副賞として賞金30万円)
文芸社特別賞1点賞金10万円
毎日新聞特別賞1点賞金10万円
【短編部門】
30作前後を選出し、合同作品集を制作し出版(費用文芸社負担)
・応募資格:一切不問
・応募内容:自身の人生や家族の歴史をテーマにした自分史・半生記。テーマに沿っていれば、ジャンルはエッセイ調や私小説風など自由に決めることが出来ます。
・主催:株式会社KADOKAWA
・応募原稿:ワープロ原稿の場合 15~30枚。テキスト(.txt)以外の形式の場合は縦書き。※1ページ=42文字×34行で設定
・賞金
大賞:正賞 記念品+副賞 賞金300万円
金賞:正賞 記念品+副賞 賞金100万円
銀賞:正賞 記念品+副賞 賞金50万円
メディアワークス文庫賞:正賞 記念品+副賞 賞金100万円
電撃の新文芸賞:正賞 記念品+副賞 賞金100万円
・応募資格:未発表かつ日本語で書かれた作品に限ります
※他の公募に応募中の作品は選考対象外
・応募内容:オリジナルの長編及び短編小説。ジャンルは問いません。
主催:東京創元社
応募原稿:400字詰原稿用紙30~100枚、40字×40行原稿の場合は8~25枚
賞金:正賞は懐中時計、賞金は30万円。
応募資格:未発表であること。
応募内容:短編推理小説に限ります。
主催:文藝春秋
応募原稿:400字詰原稿用紙換算30~100枚以内
賞金: 正賞及び賞金50万円
応募資格:未発表の原稿であること。
応募内容:広義の短編歴史時代小説(舞台は国内外や架空設定も可)
短編小説応募で初心者が注意すべき点5つ
初めて短編小説を応募する際に初心者が注意すべきことは何でしょうか?ここでは5つの項目に分けて応募時の注意点を解説します。
・募集要項で原稿用紙設定や文字数を確認する
小説の応募時は、まず応募規定をしっかりと確認しましょう。いくら内容が素晴らしい物でも、規定通りの原稿でなければ選考から外れてしまうこともあります。文字数やデータ形式、注意事項などには必ず最初に目を通しておくことが大切です。
・小説応募の梗概(あらすじ)は全体の流れが分かるように
小説応募時では、梗概(あらすじ)の提出を求められる場合があります。具体的にイメージが湧かない場合は自宅にある小説の裏表紙のあらすじを確認してみましょう。小説を読む人に対し、全体のストーリーの流れを伝えつつ、インパクトを与える物だとさらに魅力的です。また、あらすじにはストーリーのオチの部分まで書く必要があるので注意しましょう。
・筆者略歴の書き方は基本ルールに忠実に
応募先によって、応募者(筆者)の略歴を書く必要がある場合があります。初めてだと、どのようなことを書くべきか迷うことが多いかと思いますが、基本的に最終学歴と現在の職業を記載すると考えておきましょう。受賞経験がある方や、応募歴の記載が求められる場合は記入が必要です。
略歴の書き方で注意したいのは必要以上に細かく書いてしまうことです。履歴書のように学生時代の経歴を全て書き出す必要はありません。過不足なく必要なことだけ記載するようにしましょう。
・応募封筒の書き方を知っておく
小説応募では、WEBデータでの提出が多くなっていますが、郵送で原稿を送る場合は封筒の書き方の基本も知っておきましょう。
【封筒の選び方】
A4サイズの原稿が折らずに入る物。オススメはレターパック。
※封筒に直接原稿を入れましょう。封筒を二重にすると、相手側が原稿を出す手間になります。
【宛名書きの注意点】
封筒の表面には、原稿が入っていることが直ぐに分かるように「応募原稿在中」と赤字で表記しましょう。
【封筒裏面に記載すること】
封筒の裏面には、応募者の住所、氏名、作品名を忘れずに記入しましょう。
・小説原稿の綴じ方には一般例がある
印刷した小説原稿を郵送する場合、綴じ方の代表的な例は紐を利用する方法とダブルクリップを利用する方法の2つです。どちらも右端を綴じるのが一般的で、紐とダブルクリップのどちらを利用するかは応募先が指定していることもあります。必ず応募規定を確認し、一般例に従って正しく原稿を綴じるようにしましょう。
初心者が応募しやすい短編小説に応募してみよう
このコラムで解説した、初心者が応募しやすい短編小説の募集先や、応募する時の注意点を、おさらいしましょう。
・一般的に短編小説とは、400字原稿用紙100枚以内の小説である。
・初心者にとって、長編小説は規定原稿の枚数を書き上げることが難しいため、最初は短編小説への応募がオススメ。ただし短編小説では、短い中でストーリーを簡潔させる戦略が重要になる。
・短編小説応募時には、募集要項に忠実に応募の基本ルールを守っての原稿提出が大切。
→熱意を伝えようと要項に書かれている以上のアピールはしないのが無難。
これから初めての小説応募をしてみたいと考えている方は、是非本コラムの内容を参考に、小説作りに挑戦してみましょう。
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