意外と知らない印刷・製本~原稿が本になるまで~
“完成した原稿が手元にある。でもどうすれば本にできるのかわからない。“
そういう方、もしかしたら多くいるのではないでしょうか。
わからないままだったら、せっかく完成した作品も形にならないままでずっと眠らせることになってしまいます。そのままでは、せっかく書いた作品がもったいないですよね。
今回は意外と知られていない印刷・製本行程のご紹介をします。
書きあがった原稿は、どのようにして「本」の形になるのでしょうか。
①組版データの作成と面付け(めんつけ)
まずは組版を行います。組版とは、組み型の設計に従い、文字や図版を配置し、ページの形に仕上げていく作業のことです。
書籍の印刷は1ページずつ印刷していくわけではありません。印刷や製本過程を考慮し、1枚の紙に複数のぺージを配置してそれを折って束ねて製本するのです。これを面付けといいます。
面付けは、基本的に1枚あたり16ページ単位で行います(32ページ・8ページ単位の場合もあります)。
②刷版の作成
面付されたデータから刷版を作ります。刷版は、印刷を行う際に印刷機に直接取り付けられるアルミ板のことをいいます。
刷版は白焼き校正や色校正を経て刷り位置は間違いないか、色やバランスはくずれていないかなどを細かくチェックして完成させます。
③印刷・製本
完成した刷版を印刷機に取りつけて印刷します。
印刷された印刷物は刷本とよばれます。刷本は折り畳み、順に閉じ合わせ表紙をつけて本の形にまとめられます。これを製本といいます。
④納品
製本後も細かい確認・行程を経て出版社や取次会社へ納品されます。
このようにただ完成原稿を持っていたとしても、本の形になるまでには膨大な作業量と多くの専門技術が必要です。
原稿は一人で作り上げたとしても、なかなか一人では本の形にすることはできません。1冊の本は、作者の方の想いはもちろん、さまざまな人の想いが詰まった素晴らしい作品物なのです。