意識していますか? 出版のタイミング|売れる本の出版講座
売れる本を生み出すために重要な3Tをご存じでしょうか。
「3T」とは、テーマ(Theme)、タイトル(Title)、出版のタイミング(Timing)のこと。
本記事では三つ目のTである、出版のタイミングについてご紹介します。
本が売れるか否かはタイミングにかかっている、といっても過言ではありません。
実際の出版事例も交えて、タイミングの重要性を学びましょう。
売れる本は、読者のニーズを満たす
新書やビジネス書において特に顕著ですが、書籍は読者のニーズを満足させるためのツールです。
読者の疑問や不満に対して、誰より早く答えを提示できれば、それこそが読者に必要とされる書籍であり、したがって売れる書籍であると言えます。
世相が大きく変わると、人々の不安や懸念は大きく膨らみます。
2019年の発症者確認から、コロナウイルスに関する書籍が次々と出版されているのはその典型的な例です。
「必要は発明の母」とも言うように、真に必要とされるものはこうした混乱の中から現れるのです。
混乱をむしろ好機と思い出版することが、売れる本づくりにおいては重要なのです。
以下では幻冬舎グループの刊行書籍から実例を挙げることで、さらに理解を深めましょう。
売れる本は、変化を先取りする
阿藤 芳明『相続財産は法人化で残しなさい』(2011年刊行)※7刷出来
財産を法人化して所有し、生前に次世代へと財産の分散を図り、多額の相続税を回避する方策を解説した1冊です。
同書は相続税の改正に先立ち発売したことで、改正決定時期に各書店へ多く流通することができました。
このようにタイムリーな話題を扱った書籍は売り上げが期待できるため、書店からの人気も高くなる傾向にあります。
売れる本は、関係者のあいだで話題になる
出井智将『派遣新時代~派遣が変わる、派遣が変える~』(2015年)※2刷出来
2015年に発表された派遣法改正案の詳細を解説するとともに、派遣の仕組みや請負と派遣の違いなど、多様な働き方を示した書籍です。
本書は改正派遣法の衆議院可決と同時期に発売されました。
類似する内容の競合書籍が当時なかったこともあり、派遣社員を抱える全国の事業者や議員の間で話題にのぼり、多数のお問い合わせをいただきました。
売れる本は、期待が高まるタイミングを狙う
熊谷 亮『明日ドカンと上がる株の見つけ方』(2014年刊行)※4刷出来
無益な情報に振り回されることなく、安いときに買って高いときに売る。
株取引のタイミングを適切に判断することで「ドカン」と儲けるための情報をまとめた1冊です。
本書は日経平均株価が上昇傾向に入り、株式投資に期待が集まった時期に発売されました。
多くのメディアに取り上げられ、発売からわずか半月でAmazonの「株式投資・投資信託」ジャンルで1位となりました。
このように、適切なタイミングで出版することで「売れる書籍」が生まれます。
これから出版をお考えの方は、ご著書出版にとって最良の時機がいつであるかについても、ぜひ弊社編集者にお尋ねくださいませ。