手紙から学ぶ 相手に届く文章の書き方
メールやSNSの普及により、私たちは毎日ちょっとした文章を考える機会が増えました。それにより、手書きで文章を書くことはもう少なくなってしまっているのではないでしょうか?そういったなかで、「手紙」という手書きでの長い文章を書く機会はめっきり減ってしまっているのが現状です。
しかし、手紙はいつの時代ももらって嬉しいもの。たまには自分の思いをつたえるために、また、相手にどうしても届けたい気持ちがあるときに手紙を書く人も多いのではないでしょうか。
手紙は読み手の心に届けるための文章を書く、いちばんの練習になります。というのも、届けたい相手と目的が明確にあったうえでまとまりのある文章を書かなければならないからです。そして短い文章といったところで、作品よりも手軽に書けるものであり、且つ読み手が必ずあるものなので良い練習になります。
今回は、手紙の書き方を参考に、読み手の心に届けるための文章の書き方を2つご紹介したいと思います。
①文章を書き終えたら読み返し、「直す」作業を行う
文章の最大のメリット、それは「何度でも直せる」ということです。
直接会って話をするときに出てしまった言葉は言い直すことはできても、言ったという事実を消すことはできません。しかし、文章は誰かに見せる前に自分でいくらでも「直す」ことができるのです。文章を書く上で、この最大のメリットを行わないのはもったいないこと。それにもかかわらず、意外と読み直さない人が多いのです。
手紙は多くても読むのに数分しかかかりません。短い文章のなかできちんと想いを伝えきれているか、書いたら一度読み返し、自分自身で課題をみつけてどんどん修正していきましょう。
直す作業が身に付けば、小説などの分量の多い文章を書く上でも常に客観視できるので作品の完成度が上がります。
②相手の立場に立って読む
例えば、会ったことのない人に手紙を書く場合。相手は突然顔も知らない人から手紙が届くことになります。あなたに対してかなりの不安感や警戒心を持っているはずです。そんな人に対していきなり自分の伝えたいことを文字にしても、なかなか受け入れづらいですよね。相手があなたの手紙を読んでどう思うか。常に相手の立場になって文章を書いてみましょう。
肉親や友人への手紙の場合も一緒です。そのような近しい人に手紙を書く場合は何かお願いしたいことがある時ではないでしょうか。その時にいきなりお願いしたいことを書いたとして、お願いを受け入れてもらえるでしょうか。
あなただったらどうでしょう。両親から手紙が届き、何かを送ってほしいといった依頼内容の手紙だった場合、依頼される前に、少しだけでもあなたが喜ぶことが書いてあったとしたら、快くその依頼を引き受けることができるのではないでしょうか。
小説をはじめとする多くの文章を書くうえで大切なことは、「誰に何を何のために届けたいか」ということ。10万字ほどの長い作品を書いていると、途中で目的やターゲットを見失ってしまいがちです。
しかし、手紙であれば相手の立場になって文章を書くことは、とても難しいことではないはずです。相手が誰であるか、なぜ手紙を書くのかが明確だからです。大切な人に、大事な気持ちを伝えるときに、たまには手紙を書いてあなたの思いをつたえてみませんか?
手紙のような短い文章から、相手の心に届く文章を書く練習をしていきましょう。