■著者紹介
松田 安史（まつだ やすし）

　私は、1942年2月生まれ、山形の片田舎での自然育ちです。長じて建築のデザインやエンジニアリングを仕事とした会社経営を全国展開してきました。正に戦中に生まれ、戦後からバブル期までの日本の大繁栄の中を生きてきました。今から思えばそれは地球上における夢のような時であったと言えるでしょう。しかし今はどのように呼べばいいのでしょうか。世界中で政治はボロボロ、未だに戦争がはびこっています。
　今は引退して「M’s　ヒト・モノ研究室」を主宰していて、建築、音楽、哲学、物理、宇宙、脳と興味の赴くままいろいろ研究しています。
　そんな私に今から10数年前、70台も後半になったあるとき、言葉と意識に係る興味深い体験をする機会が巡ってきました。一つの気づきがあったのです。意識とはこういうことだと言うことへのそれです。世界中でこの事へ気づいた人はまだいないようです。もし気づいた人がいれば、きっと今の私のような研究をするはずですから。
　気づいてしまった私が、爾来やってきた研究を本書にて開示することになりました。私の研究室の成果の一つです。それは意識に関することですから、人間の本質に通じていました。それは哲学や脳科学からは絶対に手に出来ないものです。
　私は、もはや老い先短い身です。しかしこの人間の本質を知り得たうえで我が死を迎えることの出来る幸せの中にいます。