かつての「ゆとり教育」は終焉を迎え、再び学力向上を目指す中学校教育となった。学生の本分は学ぶことであるが、今の学生は受験のための勉強というオートメーションのベルトに乗り、一年365日勉強を強いられている。いわゆる「詰め込み教育」への回帰である。そのことに現役の教師である著者は、学生たちが大切なことを見失っているのではないかと危惧する。学生は学力向上のほかに「人としての生き方」「人生設計」「集団や社会との関わり方」など、いわゆる「人生を歩む力」が必要であると考えているからである。本書は人生の歩みを航海にたとえて、豊かな人間性が日本の未来を拓くことを説いていく。