風香る 大石内蔵助異聞
そうかこの香りは……。切腹の瞬間、内蔵助の顔に笑みが浮かんだ。
- ジャンル
- 単行本 文学・評論
- シリーズ
- その他
- 著者
- 森角 幹生・著
- ISBN
- 9784779006555
- 判型
- 4-6 ・ 240ページ
- 出版年月日
- 2010-12-05
内容紹介
できることはすべてやり遂げた。仇討ちを終えた内蔵助は静かに最期のときを待った。梅の季節。細川家の表庭に設えられた切腹の場に着座し、白ずくめの衣服を静かに脱ぎ始めたその時、内蔵助は得も言われぬ香りを感じ笑みを浮かべる――。日本人なら誰もが知っている「忠臣蔵」。大石内蔵助が主君の事件を知らされてから城を明け渡し、浅野家再興の希望が潰え、仇討ちを決行し、屠腹にいたるまでの行動と心情を描く。内蔵助がかつて松山城明け渡しの実務を行ったこと、「忠臣蔵」の問題が、幕府の「喧嘩両成敗」の原則から外れていることで不満を呼んだことが、物語に奥行をもたせる。また、瑶泉院が内蔵助の「不思議な匂い」について語ったシーンが、ラストの「良い匂い」に照応した、香気のある時代小説だ。
■著者紹介
1942年埼玉県大宮市生まれ。埼玉大学文理学部卒業。
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