裏庭
ソ連兵トリコフは午後三時にやって来る。その時間はわが家にとって、心休まる一瞬だった。
- ジャンル
- 単行本 文学・評論
- シリーズ
- その他
- 著者
- 今村 方好子・著
- ISBN
- 9784779008054
- 判型
- 4-6 ・ 244ページ
- 出版年月日
- 2012-06-30
内容紹介
1945年、11歳になる洋子は朝鮮の平壌で終戦を迎える。父と母、二人の妹たちと日本に帰国するまでの不安な生活の中で、ある日、ロシアの若い兵隊が裏庭に迷い込んでくる。ロシア兵の名前はトリコフスキー。彼は祖国の家族を懐かしく思い、洋子たち家族に心を開く。洋子たち家族もいつのまにかトリコフスキーがやってくる時間を楽しみに待つようになる。しかし、トリコフスキーから教えてもらったロシアの唄を一緒に歌った日を最後に、彼の姿が裏庭から消えてしまう。戦後から1年、洋子たち家族はまだ日本に帰国することができない。そんなある日、洋子たち家族は平壌からの脱出を実行する。日本への苦難の帰国を描いた表題作はじめ、戦争で翻弄された家族の連作短編小説。
■著者紹介
1934年、朝鮮平壌府本町に生まれる。1946年、日本に引き揚げ後に、平壌の山手小学校から松山市立道後小学校に転入。1955年、愛知県立女子短期大学英文科卒業。「全作家協会」会員。
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