小説を出版したい主婦です。自費出版について家族の理解が得られません。
「出版のお悩み相談」コラムでは、 出版を目指す皆様が初めての出版をするにあたってよくいただくご相談をご紹介します。
今回は、出版を決める際のご家族からの理解に関するご相談です。
ご相談
「小説を出版したい主婦です。自費出版について家族の理解が得られません。ペンネームなど名前を変えて出版したほうがよいのでしょうか。原稿は5年前から書きはじめており、このまま埋もれてしまうよりはと、家族に知られずに出版する方法を考えています。」
編集者からのアドバイス
相談者様は小説の出版に向けて準備をしていらっしゃるのですね。
結論から申し上げますと、しっかりとご家族の方と向き合ってお話をもう一度なさることをお勧めいたします。
お金が関係することですので、ご家族でしっかりとお話をするほうが良いのは当然ですが、書籍の出版は人生において何度も経験できることではありませんので、どういう気持ちで執筆するかという部分も大切にしていただきたいと思います。
ご家族の理解が大きなモチベーションに
なぜ話し合うことが大切かというと、納得のいく原稿を完成させるには、ご家族のサポートを受けてゆとりある時間をつくりだす必要があり、また、誰よりも身近な読者が楽しみにしていてくれるということは、何より大きなモチベーションとなるからです。
小説の中のなにげないシーンひとつとっても、なぜそのような描写を選んだのか、その背景は一般の読者には伝わりませんが、家族にだけはわかるということもあります。
自身の選んだ言葉のひとつひとつを、自身の人生と照らし合わせながら読んでくれる人がいる。それはとてもすばらしいことではないでしょうか。
もちろん、自伝的な内容であったりするとご家族の理解を得ることがより難しくなるケースもありますが、それでもご家族には自分の思いを理解して貰えるよう努力することが大切です。
壁にぶつかったときの頼れる存在
編集者としてこれまでたくさんの方々の「初めての出版」をお手伝いしてきた経験談としても、ご家族のサポートがある方とない方では、やはり執筆作業への向き合い方に差があると感じます。
自身の頭の中で描いた特別なストーリーだったとしても、執筆を進めるなかで一度も壁にぶつからない方はいません。
そんなときにその壁を乗り越えるサポートをしてくれるのはきっと、ご相談者様のことを誰よりも理解してくれるご家族なのではないでしょうか。
自分がなぜ作品を出版したいのかを伝え、ご相談者様のことを思うご家族が心配していることに耳を傾けてみましょう。
理解が得られれば、きっと素敵な作品の最初の読者になってもらえると思います。