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社史をつくろう(1) 自費出版でできる社史制作の基本

2015年も大詰め。残すところあと1ヶ月となりました。年末になると、会社の納会や飲み会などで社員を労い、来年に向けて士気を高める会社も多いようですね。

そうしたイベントごとが多いなか、『社史』によって社員のモチベーションアップを図る企業が増えてきていることをご存知でしょうか?

社史とは、いわば自分史の会社バージョン。周年史という言い方もします。自社の歴史や社長の知られざるエピソード、苦悩の中で社員が一致団結し、課題を乗り越える姿を鮮明に描いたもの。自社のサービスや商品に込める想い、ノウハウにフォーカスしたものもありますね。社長を筆頭に社内のメンバーを巻き込みながら、社内全体で社史づくりに取り組むことで、会社の結束力を高める効果もあると言われています。

今回は、そんな社史の出版についてご説明します。まずは社史がどのように制作されるのかを知りましょう。

ひとくちに社史といっても、その仕様は様々です。まずは、流通はせずに社員やその家族、取引先の企業の関係者、社長仲間で配布する『インナー向け』と、書店への流通を前提とした『流通向け』という括りがあること覚えましょう。

■インナー向け社史
前者は、社員のモチベーションを高めたり、取引先の関係各社に自社のことを知ってもらい、信頼関係を構築させるためであったり、最近では内定者に配布して自社の取り組みについて理解してもらうためといった事例があります。社長の考えや会社の理念が浸透せず、新入社員や中堅社員の離職者が増えている会社では、社史を活用することで社員のモチベーションアップに繋げようという考えもあります。

社史の出版を考えるタイミングとしては、社長が交代する時期に合わせて、新卒採用時期に合わせて・・・と、出版の目的によって様々です。出版することで何を解決したいのか、現状の課題と目標とする指標を決め、適切な出版時期を考えてみましょう。

■流通向け社史
次に後者の流通向けですが、これは企業の対象となる顧客が読むことを想定して制作するもので、出版により社長の人柄や企業の商品・サービスへのこだわりなどを伝え、ブランド力を向上させたいといった目的のために出版することが多いようです。例えば、いま特に風評被害を受けやすい食品メーカーであれば、社長の堅実な姿勢や社員がまじめに働く様子をまとめることで、商品に対する信頼感を高められる可能性があります。サービス業であればホスピタリティを表現したり、仕事へのこだわりや極意をまとめるのも良いですね。

そうした書籍を社内はもちろん消費者にも流通させることで、自社へのファンを増やしブランディングに繋げることができます。

以上のように、インナー向けか流通向けかを考えただけでも、まとめる内容や切り口が変わってきますから、社史の制作を始める前にまずはどちらかを選択する必要があります。

そのためには、

・自社の課題
・出版の目的
・ターゲット

以上3点は明確にしておきましょう。これだけでも、どんな社史が出来上がりそうかイメージが沸いてくるのではないでしょうか。

■誰を筆頭に社史制作を進めるか
次に、こうした確認事項の取り決めを行い、実際に社史制作がスタートしたら、社内の誰が担当し、どのように動くべきなのでしょうか。上記3点はもちろん、会社の規模、風土、社長の人柄、社内の雰囲気によって異なりますが、最近の動向としては、若手社員を巻き込んだ社史制作が多いようです。

社長を筆頭に新入社員などの若手メンバーを集め、社長からどのような社史にしたいか意向を伝え、若手に出版社とのやりとりをさせながら、社史に必要な資料集めやインタビューをさせるというものです。社長と若手という普段関わることの少ない者同士がコミュニケーションを取れること、若手としては資料集めやインタビューを通じて、関わりの無かった部署やメンバーについて知り、知ることのなかった会社の歴史についても触れることができます。出版社と関わることで、取引先への仕事の依頼の仕方や、報連相についても覚えていくでしょう。そうした理由から、社史は会社全体に一体感を生み出し、若手社員のモチベーションアップにも役立つといわれているのです。

以上のように、社史についてきちんと理解してから制作を始めれば、その長所を最大限に引き出すことが出来ます。まずは上記の基本事項を確認し、誰をどのように巻き込んでいくのかイメージしましょう。

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