自費出版について

社史をつくろう(2) 社史の自費出版で期待できるメリット

前回は、そもそも社史とは何か、どんな括りがあるのか、どうやって制作を進めるのかご説明しました。今回は、そんな社史制作をする事で、そのようなメリットがあるのかをご紹介します。

「社長の自己満足じゃないの?」「たかが認知活動の一環でしょ?」こんな社史のイメージがいっきに変わるはずです。

■見込み顧客からの認知はもちろん、信頼度アップに有効
社史を出版するということは、それだけで大きな価値のある行為です。自社のことについて、きちんと本にまとめて発信しているということは、誰に見せても恥ずかしくない自信の表れでもあるからです。情報開示を控えたり、ブラック企業が蔓延したりしている現代においては、”社史を出版したこと”それだけで消費者からの信頼は増します。認知はもちろん、自社を信頼してくれる質の高い顧客を集める上で有効な施策なのです。

また、現代では多くの企業が認知施策としてWebやSNSを活用した宣伝を行っていますが、社史による宣伝をしている企業はあまり多くありません。だれも手を付けていない分野は、それに関わる顧客も未開拓ということです。これまでとは異なる新たな顧客獲得を目指すのであれば、社史出版という他社が行っていない活動をすることも一業でしょう。

■業界の中で1歩リードした存在に
社史を出版することは、同じ業界内でも頭ひとつ抜きん出た存在になることができる可能性があります。例えば、社史の中に競合優位性や最先端の商品・サービス、取り組みなどについての紹介を書き加えることで、他にはない独自性をもった企業として評価されることがあります。

また、業界の最新情報などに触れることで、その業界内での存在感をアピールできます。いち早く情報を得たいと考えている消費者が集まったり、その業界について詳しく知りたい、何かフレッシュなネタを仕入れたいと考えているマスコミや企業からも認知されることが期待できるからです。実際に、出版によりセミナーの講演依頼が殺到した企業もありますから、計りきれない可能性がありますね。

■社内の連帯感を強める
前回でも簡単に説明しましたが、社史の制作過程で社員を巻き込むことで、社内の連帯感を強めることができます。最近では社長と若手メンバーが一丸となって制作することで、普段のコミュニケーションロスを埋めて若手に会社の方向性を理解させることが出来ますし、あまり関わりの無い社員・部署同士の連携にも役立ちます。規模の大きい企業には最適です。

また、設立から間もないベンチャー企業や、人員の入れ替わりが激しい企業などにも効果が期待できます。

■若手のモチベーションアップに
そしてもう1点。若手社員のモチベーションアップにも役立つというメリットがあります。先述したとおり、普段は関わることの無い社員と交流を深め、会社の一員として役に立っていることを実感させることができますし、何よりそれが形になって現れることが、モチベーションの維持に繋がるのです。常に社史をデスクに置いておいたり、家族や知人に見せたり、営業道具としても活用することもできますね。

最近は、若手社員の不満による急な離職を防ぐために、社内イベントなど様々な制度を導入する企業は増えましたが、何れも、その時の出来事や盛り上がった気持ちを一生形として残すことは出来ません。その点で、社史という形であれば、単なる思い出ではなく、活用できるツールとして役立つことが期待できます。

様々なメリットをもつ社史の出版ですが、自社で出版するならどんなメリットが期待できるか、どんな課題解決に繋がるのか、イメージはつきましたか?実際に社史を出版した企業事例なども参考にしてみてください。

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