表現者インタビュー
貴著が刊行されました、今のお気持ちはいかがでしょうか。
ほっーとしたというのが正直なところ。可成長編であったこともあって、構成方法に矛盾が生じることもあり度度手を加えた。
純文学のつもりで書いた作品であったが読者の方がどう解釈されるかが不安であった。
いずれにしても官能的表現は、人間が社会生活をしていく上で、重要な部分であることは間違っていないという開き直りが、私の心を落ち着かせた。
親しい人達への読書感を尋ねたところ、男のひたむきな愛の姿が感動的だったという意見から、官能描写がリアル過ぎであったという意見も多くの人たちから拝聴した。
作者の真意としての愛の部分が、しっかりと伝えきれなかったことに、我が身の未熟さを痛感させられている。
今回出版しようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?
人は何のために生き続けているのだろうか。
素朴な疑問を誰しも持っているのでは、といった気持が私の心の奥に長年つまったままでいた。私は愛の為に人間は生きていると思っているが人々は案外そうではないのではなかろうか。
そのような気持を抱いたまま人々との会話を通じる中でぎくしゃくしてきた。
人々は結婚を大切ですばらしいことであるとはっきり認識しているはずであると思うが、現実の結婚は打算が大きなウェイトを占めているように思えてならない。愛の深まりが希薄なままゴールインするカップルが、大勢いるのでないだろうか。そのような思いで愛の深い結びつきを、我ながら不思議にも思うぐらい世の人々に、私なりの愛の姿を提示しておきたかった。
どんな方に読んでほしいですか?
多くの人々に読んでほしいのは本音だが、対象を敢えて絞り込むとすれば30代40代の男女だろうか。これから恋愛・結婚をしようとする年代、特に女性に読んでほしいと願っている。女性は強くなったと世間が認めだして久しいが、女性の本質的部分である好きな人の子どもがほしいという思いが、いつの時代になっても変らないのではないでしょうか。
男性と違って女性は肉体的に傷つきやすいと今でも考えてしまう私であるから、女性は立ち止まって、深い愛について考えていただきたいと思う。理想的な恋愛をされている方々にとっては、私の思いは全く意味のない思いではあるが。