表現者の肖像 波田野裕基
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体を鍛えるためにつれて行かれた
湘南の江の島

4歳の頃私は体が弱く、毎週末に湘南の江の島に体を鍛えるために連れていかれた。海に着くと、いつも放っておかれて勝手に一人で遊んでいた。

ある時、この海を先に進むと一体なにがあるんだろうと冒険心が湧き、一人でどんどん沖に行ってしまった。当然、途中で急に深くなり溺れてしまった。
アップアップしながら海水も少し飲みながら左目は海中に、右目は海面の上の景色だった。
深くなって足が届かなくなった瞬間、驚いて思わず、その時持っていた新幹線のおもちゃを海底に落としてしまった。
とてもお気に入りのおもちゃだったので必死に手を伸ばすも、深いため海底に手が届かず波がよせるたびに、より沖に持っていかれる新幹線のおもちゃ。
ふと右目に遠くから必死に駆け寄ってくる母親の姿がー。
水しぶきが母親の身長より高くあがっている。
何をそんなに必死になっているんだろうと遠くで思っていたのを覚えています。
写真のこのまさにこの場所で溺れ死にそうになりました。
もし、あと数分母親の気付くのが遅かったら・・・。私の故郷の海です。

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