人生を変えた出会い
高校卒業後二浪して打ち沈んでいた私は、たまたま或る時、当時最も人気のあった受験誌「蛍雪時代」のページをめくると、1ページを丸々占拠して、当時一橋大学の学長であられた中山伊知郎先生の写真と受験生に贈るメッセージが載っていました。どのようなメッセージであったかは忘れてしまいましたが、その温顔とメッセージの趣旨に動かされて、私は一橋を受験することに決めました。
(株)日本航空を辞めて、無職となって呻唸していた私は、たまたま或る日、新聞広告で(株)日本コンサルタントグループという一中堅経営コンサルタント会社の社員募集広告を目にし、小躍りして入社試験を受け、幸運にも合格しました。これが、以後の私の人生行路と幸せを決定づけることになるとは、誰が想像したでしょうか。
(株)日本コンサルタントグループでたまたま小久保伸という人に出会い、彼から、彼の友人でJICAにつながりを持つ大橋正璋という人を紹介され、その大橋氏の紹介で、大野欽一という人が社長を務める(株)プロジェクト経済研究所という一小海外コンサルタント会社に転社し、これにより、私は国際コンサルタントとして、思う存分世界を股に掛けて働くことができました。従いまして、これらお三方は、私にとって忘れることのできない生涯の恩人です。
振り返りますと、私が今日ここにあるのは、上記を含めて、人々との偶然の出会いの連鎖によるものです。人生とはそういうものです。
ところで、上記のお三方との出会いの背後には、私の世界への已むに已まれぬ憧れ、世界で働きたいという強い欲求が連綿と脈打っていたことは、否定できません。夢というものは、本人が真剣に心から望み願えば、神が誘導して、叶えくれるのです。