表現者の肖像 石橋直道
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執筆に秘めた思い

の広大無辺な温かい愛にすっぽり包まれて、至福の真っただ中で過ごした私の幼少期。その思い出に支えられて、ここまで生き永らえて来られました。長い長い、果てしなく続く、なすすべもなく悩み悶えた、暗黒の青年期。良き知遇を得て、海外コンサルタントとして世界を股に掛けて働き、そこで出会った、世界の人々の本源的な愛と真心、それが私を蘇らせ、再生させ、立ち上がらせ、今日の私をつくり上げました。そして、晴天の霹靂の如く降り掛かったがんの宣告。しかし、胃を全摘し、それに伴う数々の苦痛と不具合を経験しつつも、十数年を生き通して来た私。
 その長い起伏に満ちた人生行路の過程で醸成され、蓄積された、前向きに徹した処世観を、他山の石として是非世の人々に知ってもらいたい、そして、人生の舵取りが分からず右往左往している人達を励まし勇気づけたい、との切なる想いを本書の中に封じ込めました。

 お金、学歴、地位等の外部要因は、人を幸せにする必要条件となり得ますが、移ろいやすく、十分条件ではありません。現今の我が国では、それらを十分条件と見做して追求することでストップしているところがあり、そのことが、私たちを宙に浮かせ、不安定にし、不幸せにしております。

 しからば、人生において幸せを掴むための、色褪せることのない、恒常的な、十分条件たらしめるものとは何でしょうか。それは、この世の中を善と心得て、自分の人生を善と心得て、いかなる失意・失敗・疾病に見舞われても、ただひたすら、神の恩寵を確信して、前向きに生きることだと思います。
そして、小さな損得、恩讐を乗り越えて、神の愛を確信して、広い心、大きな心で世間と相対し、世間に何がしかの善を施そうとすることだと思います。

 それらのことを、具体的に、様々な形で、読者の前に提示し、展開し、訴えたのが拙書です。

幻冬舎ルネッサンス

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